マガジンのカバー画像

ツキノポエトリー

148
いつも孤独を抱きしめながら、放課後のほとんどを書店で過ごしていた中学時代。銀色夏生さんの詩集に心がふるえて、詩を書き始めた。 今も孤独を愛し、書くことで心を満たす。 ツキノポエ…
運営しているクリエイター

#スキしてみて

詩|消えない怒り

わたしはどうしようもなく怒っていて この怒りをどうしていいのかわからず 落ち着きのない感情…

月乃
1か月前
42

詩|曖昧な線

方向性がまるでない感じが好き ぽわんぽわんと海月みたいで いつか、あなたはそう言って わた…

月乃
1か月前
40

詩|冬至

どこまでも永い夜だった どこまでも伸びていく闇の時間 たとえばこの夜の果てが 永遠のような…

月乃
1か月前
77

詩|いのちの番人

どこかで泣いている心に寄り添うばかり 肝心なあなたの心が悲鳴をあげていても 身を削り 時間…

月乃
1か月前
51

詩|愛ならば星

優しくゆれるあなたの腰に そっと手を添えて 真夜中の吐息に揺蕩いながら 心地よさに導かれて…

月乃
2か月前
38

詩|空に書く

いま、伝えたいことを夜空に書いてみる 純白のインクで星のいない夜を選んで 「大好き」と「…

月乃
2か月前
82

詩|寒月

グレープフルーツみたいな満月のほろ苦い香り 冷たい潮風と柔らかい波音が混じった愛は曖昧 繰り返す日々のあちこちに散らばった泡沫の夢 加減を知らない下弦の月は乗れないまま沈没船 一緒に行くはずだったあの島の地図はもうない 心の水槽に青い海月を泳がせたまま忘却の彼方 目を閉じ輪郭をなぞれば新月の温度で凍る指先 君の美しさに見惚れるだけの僕の煩悩を愛でて 自分を守るためについた嘘ならば 貝殻の中に隠しておけばいいから 晴れてもいい 降ってもいい  凪いでもい

詩|欲しいもの

荒波のようなこの命を泳ぎきって 最後の最期はわたしでよかったと 心から思えたら大成功なの…

月乃
2か月前
56

詩|四季を編む

たとえば透明な季節に生まれた恋なら 純粋さだけで泣くことだって許されて 春じゃなくても愛…

月乃
2か月前
53

詩|甘い穴

ドーナツの穴からこっそり君を覗いても 君の真ん中はちっとも見えやしない 直感とか幻想とか満…

月乃
2か月前
44

詩|夢のまた夢の夢

もう夢なんて見たくないと言って 途方に暮れたまま夜明けが来てしまった 永遠に真夜中を願って…

月乃
2か月前
48

詩|風の時代

不思議なくらい身体がふわりと軽くなって 神秘的な解放感に満ちてゆく 自由度がぐんぐん上が…

月乃
2か月前
48

詩|雪を待って

冬空の隙間から白い声 ずっと雪を待っている 凍える心はふるえるだけ 燃えているのは太陽だけ …

月乃
3か月前
56

詩|私は月で

今あなたが見ている真夜中の月は私 今あなたの瞼を照らしている月明かりは私 今あなたに好きって伝えたがっているのは私 今あなたをもっと知りたがっているのは私 今あなたと今すぐに会いたがっているのは私 今の私、ぜんぶあなた。 私は月で / 月乃 #賑やかし帯 #詩のようなもの