マガジンのカバー画像

ツキノポエトリー

100
いつも孤独を抱きしめながら、放課後のほとんどを書店で過ごしていた中学時代。銀色夏生さんの詩集に心がふるえて、詩を書き始めた。 今も孤独を愛し、書くことで心を満たす。 ツキノポエ…
運営しているクリエイター

記事一覧

詩|蠍座の夜に

そよ風のような毎日ばかりは望まない 突風や竜巻や木枯らしの日があるから 人生はおもしろいの…

月乃
17時間前
24

詩|白い声

真っ白な時間が積もっていく音 たとえ耳が壊れてたって聴こえる 張りつめた空気が静寂を奏でて…

月乃
1日前
48

詩|風の時代

不思議なくらい身体がふわりと軽くなって 神秘的な解放感に満ちてゆく 自由度がぐんぐん上が…

月乃
2日前
49

詩|シロツメクサ

あなたがあの日くれたのは 四つ葉のクローバーじゃなくて 季節はずれのシロツメクサの冠 花言…

月乃
6日前
61

詩|雪を待って

冬空の隙間から白い声 ずっと雪を待っている 凍える心はふるえるだけ 燃えているのは太陽だけ …

月乃
7日前
57

詩|未来の未来

まだ満ちていない未完成の月 まんまるにはまだ少し足りないけれど いびつなカタチがなんだか可…

月乃
8日前
57

詩|I’m clumsy

水平線に落下していく真っ赤な夕陽 受け止める覚悟で飛び込んだら傲慢 掴めないとわかっていて手を伸ばす ないものねだりが好きなだけの煩悩 悲しみの瞬間と喜びの瞬間が交わる その絶妙なポイントで命を燃やして その一瞬という奇跡を味わいながら 空で咲いたような彩雲に目を細める 不器用なのに器用なふりをしていて 自分じゃない自分を生きてしまって とてつもなく後悔しているけれども そんな日もあったっていいんだよと 本当はそんな不器用な自分が好きで 大好きだよって抱きしめたい夜だよ

詩|冬の散文

瞼の向こう側に朝の気配を感じて ゆっくりと今日という白き世界を 受け入れていく準備をはじめ…

月乃
10日前
42

詩|コトバの散乱

記憶の蓋をひらいてウミガメの産卵 ぽろぽろと産み落としてく言葉を 丁寧に文字にして並べてい…

月乃
11日前
44

詩|ニーバーの祈りと空の青

空が青いというだけの真実が完璧すぎて わたしはその完璧さに不安になってしまう 作り物みたい…

月乃
2週間前
46

詩|月にさよなら

見たくない夢をみて 泣けないのに涙だけこぼれて 見たかった夢を忘れて 泣いているのに涙さえ…

月乃
2週間前
41

詩|ずっと夜だった

   小さな夜に鍵をかけて 星たちの行列を眺めていた 瞬くのを待っている 流れるのを待って…

月乃
2週間前
68

詩|未来なんて

目の眩むような白い朝だった ふたりで迷子になった夢をみて どこにも辿り着けなかった夜のまま…

月乃
2週間前
44

詩|散るように美しく

心の表面だけを優しくなでても 真ん中には辿り着けない もっと奥の方に手を入れて もっと柔らかい部分をさわって 誰かとお揃いの愛なんていらない 真実だけ束ねて交換し合う真夜中 それで終焉なら満ちるのに 生きてすり減っていくだけの孤独 出逢わなければよかったなんて嘘 安っぽい言葉より飾るなら白い芍薬を 散るように美しく / 月乃