コペンハーゲンで本物のサンタクロースのような人と出会った話
メリークリスマス!
コペンハーゲン滞在最終日、私はデンマーク建築センターにいました。
最後に訪れる場所をチボリ公園と建築センターで迷いましたが、この数日間で街の建築物や都市計画の美しさに心を打たれたのでこちらを選びました。
ひと通り展示を見たあと、併設しているカフェでランチをいただきました。デンマークらしい目にも美しいプレート。眺望も美しく、食事が終わってからもしばらく街を眺めながら考え事をしていました。
コペンハーゲンの旅、やり残したことが一つあるとすれば、もう少しコペンハーゲンの人たちと話がしたかった。英語が苦手で、ホストファミリーや店員さんに話しかけるときはGoogle翻訳を駆使してなんとか形にしていたけれど、もう少し踏み込んだ質問がしたくてもとっさに言葉が出てこず、会話が終わってしまうこともしばしば。コペンハーゲンのこと、もっと知りたかったな。
なんて考えていた矢先、「隣は空いていますか?」と話しかけられました。もちろんと答えながら顔を上げると、優しそうなおじいさん。席につくと一言。「私日本語が少しわかります」と!
おじいさんは、仕事をリタイアしてから日本語の勉強を始めたこと、日本語だけでなくスペイン語、フランス語も勉強中であること、今日はお孫さんへのクリスマスプレゼントを買いに建築センターへ来たことなどを教えてくれました。
私は、この10日間の生活、日本での暮らしなどをお伝えし、お互いの共通点を見つけたりなんかしながら楽しくお喋りをしました。
気がつくとすっかり辺りは暗くなり、時計を見ると2〜3時間が経過していました!
帰り道が同じ方向だったのでメトロの駅までいっしょに歩き、途中で街の建物の歴史を教えて貰いながら、最後に駅前のクリスマスマーケットでホットワインを一杯飲んでお別れしました。
私自身、まともな会話をすること自体が10日振りくらいだったので純粋に楽しかったのと、このコペンハーゲンという土地で日本語を聞く喜び、そして年齢を重ねても学び続けているまさに北欧を象徴するようなおじいさんとの出会いにとても感激しました。それも、コペンハーゲン滞在最後の日に!
おじいさんの日本語は、消して完璧ではありませんでした。
私の話す言葉はなんとなく理解しているようでしたが、彼が日本語を話すときは知っている単語を繋げて表現をしてくれたり、単語がわからないときは「英語で言うと〜」と例えたりして、一生懸命に伝えようとしてくれました。私も同じように、日本語と英語を交えて思いを伝えました。
文化背景の違う人と話すときに必要なのは、言語スキルだけではないと気付かされました。
私が逆の立場で英会話スキルを身に着けていたとして、おじいさんのようにカフェで外国人に話しかけようとしたでしょうか。技術よりも大切なことは行動を起こすこと。私に不足しているのはこれだと気づきました。
今回はおじいさんが私に話しかけてくれたお陰で、とても素敵な時間を過ごすことができました。今度は私がコミュニケーションスキルと英会話スキルを身につけて、世界中を旅して、もっともっと色んな国の人たちの話を聞いてみたいと思いました。
こんな新しい夢や気付きをプレゼントしてくれたおじいさんは、私にとってサンタクロースのような存在です。またいつかお会いできるときのために、自己を磨き続けたいと思います。