メンバーがミスした場合の勇気づけと勇気くじき(2)
こんにちは。企業や組織の個性を見つけ潜在力を引き出す、オートパイロット経営コンサルタントで中小企業診断士・司法書士・メンタルトレーナーの小野司です。
オートパイロット経営(自動操縦経営)で最も重要なのは、現場の自立性・創造性を高めること、そして会社や組織の個性を活かした事業計画(設計図)を作ることです。
リーダーが現場に行かないと作業が滞るのをなくしたい、経営を自動化したいという、若手リーダー、経営者様にそのヒントをお届けしています。
前回、現場がミスした場合の声がけについて、
勇気づけと勇気くじきの例について紹介しました。
メンバーがミスした時、
「なぜ?」「どうして?」と
原因を聞くことは、勇気くじきになる時があり、
「次、どうしようか」と聞くことは、勇気づけになることが多い、というお話しでした。
それについて補足します。
ミスした時は、再発防止の点からも、原因究明は最重要です。
私はエンジニア時代、
原因究明から問題を解決してきたので、
その必要性についてはよくわかります。
しかし、ココロの仕組みから考えますと、
この原因究明が、勇気くじきにつながることがあるのです。
カイゼン活動の多くのメンバーは、
「なぜ?」「どうして?」
と聞かれると、
個人差はありますが、
「責められている・・」
「何かよくないことをしてしまった・・」
「評価が下がる(承認されなくなる)・・」
などと感じることがあるからです。
リーダーは、責めているつもりでなくても、
メンバーには、責められていると感じる方はいます。
特に、リーダーとメンバーとの
年齢や経験年数が離れるほど
育ってきた環境や業務経歴が異なるほど
認識の違いが大きくなるようです。
では、「次、どうしようか」という声かけ、
勇気づけについて考えます。
「次、どうしようか」を考えることは、
次にミスしない案を聞くことです。
ミスしない案を考える時、ミスした原因も”自分で考えて”います。
ですから、再発防止にもつながっているのです。
カイゼン活動では、“自分で考える”ことが自立への第一歩です。対策案を考えることは、そのトレーニングにもなります。
そもそも、カイゼン活動など、現状を変える行動をする時は、上手くいかない方が多いのです。
上手くいかなかった時に、勇気くじきをすると
次の行動が萎縮するようになります。
ですから、カイゼン活動では、勇気づけを優先させます。
心理学的に考えてみますと、
「なぜ」「どうして」は、過去を聞いています(過去思考)。
「次、どうしようか」は、未来を聞いています(未来思考)。
そして、
過去を聞くことは、後ろ向きに感じる傾向にあり、
未来を聞くことは、前向きに感じる傾向にあります。
また、アドラー心理学に、目的論という考え方があります。
「人は目的があって、その結果を作り出している」という考え方です。
目的を意識すると結果につながりやすくなるとも考えられます。
そして、
過去を聞くことは、原因論に近く、
未来を聞くことは、目的論に近くなります。
最後は、難しくなってしまいました。。
みなさまのヒントになりましたら、とてもうれしいです。