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インコンプリート | ショートショート

その日、未だかつてない大目玉を喰らうことになってしまった。

前の日まで、なんとしてでも成功させたいという思いを持って、懸命に努力した。

ろくに食事もせず、寝る間を惜しみながらも。

ただただ完遂させるために、ひたすら打ち込み続けた。 


逆にそれが、仇となってしまったのかもしれない。

自分自身を取り巻くあらゆる時間を、そこに費やしてしまったおかげで、本番で 実力を思う存分に発揮できないという、屈辱を味わう事態に見舞われた。

おまけに周囲からは多大なる反感をぶつけられ、しまいには責任すら押し付けられてしまった。

絶対に折れることのない自信を持って取り組んでいたからこそ、筆舌に尽くし難いほどに重たく感じた。


だが、いつまでも俯いているわけにはいかない。

取り返しのつかないことになったとしても、次へと進めなくてはならない。

何が正しくて、何が間違っているのか。一つ一つ見直す必要だって大いに有る。


だけど今は、泣きそうな心を堪え切らないと…。



(410文字)


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タダノツカサ
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