まがいもの | ショートショート

憧れが、憧れのままで終わってしまう。

はじめは、今をときめく人みたいになりたくて始めてみた。

やがて軌道に乗り始めると、自分のやっていることが段々と楽しくなっていった。

いつか思い描いた理想に近づけると、そして憧れの人に追いつけるかもしれないと、勝手にそう思っていた。

でも振り返ってみたところ、気づいてしまったのだ。僕のしていることは、結局ただの真似事でしかないと。

オリジナルを超えることがどれほど難しいことなのか、この目でこの耳ではっきりと目の当たりにした。

そして見事やってのけた人たちは、想像を絶する以上の努力と研鑽を積み重ねてきた証なんだ。

それに引き換え、僕のやっていることはなんだろうか。

少なからず、ときめきに影響を受けた身だったというのに、いつしか外野からパクリだの猿真似だのと受ける始末だ。

近づくどころか遠ざかっている。このままでは、夢は夢のままで泡沫と消えてしまう。

僕はペンを置き、今までの行動を振り返ってみる。

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(410文字)