政治(金融・経済)講座ⅴ1082「米国の政治的茶番劇とデフォルトの現実味」
毎度お馴染みの「出来レース」と言われている。落としどころが決まっていると言われている。当事者は支持層への演技として「これだけ一生懸命やっている」とのアピールとしてやっているパフォーマンス(演技)でもあるとも言われている。一つの政治ショー・政治イベントと捉えられているが、我々からすると大変な綱渡りショーである。何かの手違いが発生したら一瞬にして「デフォルト」の烙印が米国に押される。これを喜ぶのが中国である。米国の基軸通貨ドルに代わる地位を獲得するチャンスである。中国の国営企業の経営破綻と国の経済疲弊と金融破綻を隠しながら情報を隠蔽(スパイ法)せざるを得ない程疲弊しているのであるが、無尽蔵に近い通貨発行権(基軸通貨)を手に入れて喜ぶのは中国である。今回はその米国の茶番劇の報道記事を紹介しよう。こんな茶番劇に付き合わされる世界中の経済関係者は嫌気がさしていると思われる。もしかすると米国のドル覇権の終焉を示唆する終盤に差し掛かっているのではないだろうか? 世界が混沌とする前触れかもしれない。
皇紀2683年5月12日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
「デフォルトもやむなし」とトランプ氏-共和党に債務上限で覚悟迫る
Mark Niquette、Josh Wingrove によるストーリー • 2 時間前
(ブルームバーグ): トランプ前米大統領は10日、連邦債務の上限問題でバイデン政権と対立する議会共和党に対し、連邦政府のデフォルト(債務不履行)を招く事態になっても、譲歩しないよう強く促した。歳出削減で譲歩を引き出せなければ、デフォルトに追い込む覚悟で交渉に臨むよう迫った。
共和党の大統領候補指名争いでリードするトランプ氏は、CNNがニューハンプシャー州で主催したタウンホールミーティングで、「そこにいる共和党議員、上院議員らに言おう。大規模な歳出削減を彼らが約束しないなら、デフォルトもやむを得ない」と主張した。
一方、トランプ氏は2020年大統領選で不正が行われたとの主張を繰り返し、選挙での敗北を認めなかった。こうした姿勢が次期大統領選で共和党の勝利を遠ざける恐れがあると懸念する声が党内にある。
16年以来初めてCNNに出演したトランプ氏は、大統領職に復帰した場合には、21年1月6日に起きた連邦議会議事堂襲撃に加わった支持者の大部分に恩赦を与えるつもりだと発言。参加者からの質問に対し、「彼らの多くに恩赦を与えたいと考えている。全員にとは言えない」と答えた。
約30年前に性被害を受けたとして作家のジーン・キャロル氏がトランプ氏を訴えた民事訴訟で、陪審は9日、性的虐待と名誉毀損(きそん)を認める評決を下したばかり。
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トランプ前大統領に性的虐待の法的責任-民事裁判で評決 (1)
原題:Trump Urges Republicans to Get Spending Cuts or Push
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90秒弱で解説 アメリカの債務上限危機、何が問題なのか
BBC News によるストーリー • 26 分前
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なぜ今また、アメリカ連邦政府の資金不足が問題になっているのか。アメリカの与野党が連邦政府の債務上限について攻防を続ける中、いったい何が問題となっているのか、何が懸念されるのか、BBCのサミラ・フセイン北米ビジネス担当編集委員が短く説明する。
米財務長官、デフォルトの危険警告-国際的指導力と安全保障損なう
Christopher Condon によるストーリー • 1 時間前
(ブルームバーグ): イエレン米財務長官は11日、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議出席のために訪問中の新潟市で記者会見し、米連邦債務の上限問題に関連し、政府のデフォルト(債務不履行)を回避できない場合には、「世界的な景気下降を招くだけでなく、米国のグローバル経済のリーダーシップを損ない、国家安全保障上の利益を守る政府の能力にも疑念が生じかねない」と警告した。
イエレン財務長官は、財務省が6月1日にも特例措置を使い切り、支払い義務を履行できなくなる「Xデー」を迎える恐れがあると先に示唆した。
バイデン米大統領は5月9日、債務上限問題の対立打開に向け、共和党のマッカーシー下院議長ら議会指導者と会談したが、「新たな動きは見られなかった」と下院議長は説明。大統領は議会指導者らと12日に再び会談する。ワシントンにとどまる必要があれば、広島で19日に開幕する主要7カ国首脳会議(G7サミット)を含む外交日程をキャンセルする可能性も大統領は示唆した。
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米大統領が広島サミット欠席も、債務上限の決着を優先-12日に再協議マッカーシー米下院議長、短期的な債務上限延長の可能性を否定
米財務省が事前に公表した発言の抜粋によれば、イエレン財務長官は、ウクライナ侵攻に伴う米国と同盟国からの制裁回避を目指すロシアの能力を厳しく抑え込む意向を表明し、対ロシア制裁の厳格な運用への協力も強く求めた。
同財務長官は「一連の制裁には効果があるため、ロシアはそれを回避しようとしている。今年は制裁逃れを目指すロシアの企てを阻止する追加的な行動こそ、われわれの戦略の主要な柱になる」と訴えた。
イエレン氏は、制裁参加国間の情報共有強化と「制裁逃れを許したり助けたりしているとわれわれが承知する企業と法域」に圧力をかける働き掛け、「軍の装備と資金」獲得でロシアが利用する特定ルート遮断の3点に重点を置くアプローチを提示した。
事前に公表された抜粋では、制裁逃れを助ける国への制裁には触れていない。米財務省は今年に入り、米国と同盟国からの制裁回避を後押しするような取引に関し、企業への警告を既に強化した。
カザフスタンやアラブ首長国連邦(UAE)、トルコ、中国といった第三国を経由する迂回(うかい)取引を通じて、半導体や集積回路、他のテクノロジー製品がロシアに輸出されるケースが急増している。
関係者によれば、欧州連合(EU)もロシアの制裁逃れを阻止する対応が不十分と考えられる第三国を対象に新たな制裁の仕組みを検討している。
財務長官はまた、今回のG7財務相・中銀総裁会議の中核的優先課題として、「インフレ抑制と成長持続、外的ショックの影響緩和」「経済のレジリエンス(回復力)とセキュリティー強化」に向けた行動にも言及した。
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グローバルサウスの取り込み目指すG7財務相、影響力強める中国意識14年ぶりの拡大版G7、世界経済や債務問題など共通課題を議論へ
原題:Yellen Says Debt Default Would Hurt US International Leadership、Yellen Takes Aim at Russian Sanctions Evasion at G-7 Gathering(抜粋)
--取材協力:Alberto Nardelli.
(債務上限問題を巡る最近の動きを追加して更新します)
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議会は債務上限引き上げを、米デフォルトは世界経済脅かす=財務長官
Reuters によるストーリー • 2 時間前
[新潟 11日 ロイター] - イエレン米財務長官は11日、31兆4000億ドルの連邦債務上限を引き上げ、前例のないデフォルト(債務不履行)を回避するよう米議会に呼びかけた。米国がデフォルトに陥れば、世界的な景気低迷につながり、世界経済における米国のリーダーシップを損なうことになると警告した。
新潟市で開催される主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議を控えた記者会見の準備原稿で述べた。
「デフォルトは、過去数年間われわれが懸命に取り組んできたパンデミック(世界的大流行)からの回復の成果を脅かすことになる。そして世界的な景気低迷を招き、われわれはさらに後退するだろう」と指摘。
また「世界経済における米国のリーダーシップを損なう恐れがあるほか、国家安全保障上の利益を守る能力にも疑問が生じる」とした。
出口見えぬアメリカの債務上限問題 デフォルトに現実味 与野党協議次第でバイデン氏G7サミット欠席も
昨日 22:26
【ワシントン=吉田通夫】米政府の財務が債務上限に達し、資金難に直面している問題で、バイデン大統領と民主、共和両党の幹部は9日、ホワイトハウスで会談したが、協議は平行線をたどった。12日に再協議する。議会が上限を引き上げなければ政府の資金繰りは6月1日にも行き詰まるとされ、支払いが滞るデフォルト(債務不履行)や米国債の格下げが現実味を帯びてきた。
米政府の債務上限問題 米国は連邦政府が借り入れられる金額の上限を法律で定めているが、歳出増で上限に達するケースが増加。議会は1960年以降約80回にわたり引き上げなどの措置をとってきた。共和党のトランプ前政権は2021年7月まで適用凍結で議会と合意していたが、同年8月に上限が復活。共和党は民主党のバイデン政権の引き上げ要請に反対している。
◆デフォルトなら「影響はリーマン・ショック以上」
債務上限を巡っては、無条件の引き上げを主張するバイデン政権と民主党に対し、下院で多数派を握る共和党が大幅な歳出削減を求めており、協議は難航してきた。会談後、共和党のマッカーシー下院議長は報道陣に「新しい動きは何もなかった」と語り、民主党上院トップのシューマー氏は共和党との「隔たりは大きい」と述べた。
これまでは両党が妥協し、デフォルトに至った例はないが、現在の下院共和党はデフォルトをもいとわない保守強硬派の影響力が強く、マッカーシー氏は譲歩しにくい状況に追い込まれている。
実際にデフォルトに陥れば米政府が「手形の不渡り」を出すことになり、安全とみられている米国債の信用が傷つき、金利や株式、通貨市場の動きは見通せなくなる。米国内向けの政府支出も滞れば米経済が混乱し、世界経済に波及して「影響はリーマン・ショック以上になる」(エコノミスト)との指摘もある。
オバマ政権時の2011年には最終局面でデフォルトは回避したものの、格付け大手スタンダード・アンド・プアーズが同8月に米国債を初めて格下げ。金融不安が高まり、世界的な株安と円高につながった。
◆19日に始まるG7広島サミット「まだ出席するつもり」
【ワシントン=吉田通夫】バイデン米大統領は9日、米政府の債務上限問題を巡る共和党との協議が決着しなければ、広島市で19〜21日に開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)を欠席する可能性があると述べた。未決着の場合、デフォルトに陥り、世界経済混乱の恐れがあるため、協議を優先する考えを示した。
バイデン氏は共和党のマッカーシー下院議長らとの会談後、債務上限問題は「最も重要な課題」と説明。決着しないまま外遊の日程が迫った場合は「私は行かないだろう」と語った。
一方で「私はまだ出席するつもりだ」とも語り、「米国はデフォルトに陥ったことはなく、これからもない」と強調。共和党に対し「財政再建のための赤字削減の方法を議論しよう。ただ、デフォルトの脅威を俎上(そじょう)から取り除く必要がある」と述べ、上限を引き上げた上で歳出削減について話し合うべきだと語った。
【関連記事】アメリカ政府「資金繰りが6月1日にも行き詰まる」とイエレン財務長官 議会にデフォルト回避策を要請
バイデン大統領がG7の“ドタキャン”を示唆 岸田首相「成功シナリオ」完全崩壊危機
日刊ゲンダイDIGITAL によるストーリー • 3 時間前
官邸は大慌てではないか。米国のバイデン大統領が、G7広島サミット(19~21日)を欠席する可能性があるというニュースが飛び込んできたからだ。岸田首相が最重要視する晴れ舞台に、最も緊密な連携を望む米国の大統領が顔を見せないとなれば、大ショックだろう。松野官房長官は10日の会見でバイデン欠席について聞かれると「米国政府から通告は一切受けていない」と冷静を装うしかなかった。
◇ ◇ ◇
バイデン氏が抱える問題は深刻だ。米政府の借入限度額である「債務上限」の引き上げを巡って、9日に野党共和党のマッカーシー下院議長らと交渉。米政府の債務は既に上限の31兆4000億ドル(4200兆円)に到達しており、上限を引き上げなければ6月1日にも財政資金が底をつき、デフォルト(債務不履行)に陥る恐れがある。無条件の上限引き上げを要請するバイデン氏に対し、マッカーシー氏は歳出削減を前提条件に求め、協議は平行線だ。
バイデン氏は「問題が解決するまでここ(ホワイトハウス)に残るつもりだ」と話し、長期化した場合のサミット欠席を示唆した。
米国がデフォルトに陥れば、世界経済が壊滅的ダメージを負うのは必至だ。12日に再び協議の場を設けるというが、バイデン氏がサミットを欠席する可能性はあるのか。上智大教授の前嶋和弘氏(現代米国政治)はこう言う。
「バイデン大統領にとっては、G7どころではないでしょう。債務上限の引き上げは、オバマ政権だった2011年にも政治問題になりました。当時は政府・民主党と共和党がギリギリのところで合意に達しましたが、米国のデフォルト危機が強く意識されたことで、米国債の格付けが引き下げられ、株価も下落。市場は大混乱に陥りました。今回も同じような展開になる可能性がある。共和党は、バイデン政権が打ち出した政策を『無駄遣い』『借金体質は子どもたちの将来を奪う』と徹底的に批判しており、妥協する様子が見えません。バイデン大統領は共和党との交渉に専念するためG7を欠席するか否か、迷いに迷っているでしょう」
G7どころじゃない
それにしても、サミット本番1週間前というタイミングで“ドタキャン”を口にするとは驚きだ。バイデン氏にとっては、G7よりも内政問題がより重要ということ。岸田氏の晴れ舞台なんて「どうでもいい」と思っているのかもしれない。「軽く見られているんでしょうね……」と言うのはある官邸事情通だ。
「ここ1年ほどの総理の行動原理は全て『サミットのため』でした。サミットでは、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援が主要議題の一つです。ウクライナへの電撃訪問も『防衛装備移転三原則』の運用見直し議論を始めたのもサミットのため。議長国として広島で『核なき世界』を訴え、『世界のリーダー』をアピールしたいと考えてきた。噂される『サミット後解散』もその余勢を駆ってのもの。なのに、最も重視する米国に軽く見られているなんて、総理のショックは相当でしょう」
岸田氏は、サミット最終日に日米韓首脳会談を行い、その後、広島市内でバイデン氏と夕食会を開く予定まで調整している。それもこれも全てオジャンになってしまうのか。
バイデン氏が「欠席」を口にした時点で岸田氏の“成功シナリオ”は崩れたも同然だ。
米タイム誌が特集で指摘
「長年の平和主義を捨て去り、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる」──。米タイム誌は10日までに、岸田文雄首相を表紙に掲載した次号(12日発売=写真)でこう指摘した。
一部内容が先行公開された「日本の選択」と題した記事では、岸田氏が19~21日のG7広島サミットで、中国やロシア、北朝鮮といった国々に立ち向かうため民主主義国の団結を狙うと説明。防衛費の増額で「世界3位の経済大国に見合った軍事的影響力を持つ国にしようとしている」とした。
一方で「核兵器のない世界」を目指す岸田氏の理念と防衛力強化が矛盾するとの意見があると指摘した。
米債務上限問題について考える
2021年8月11日
●債務上限は米連邦政府が借金できる債務残高の枠、過去何度も政治問題となった経緯がある。
●今年は8月1日から債務上限が復活、米財務省は特例措置で対応中だがデフォルトリスクを警告。
●与野党の思惑で債務上限引き上げは見通しにくいが、議会がデフォルトを選択することはなかろう。
債務上限は米連邦政府が借金できる債務残高の枠、過去何度も政治問題となった経緯がある
米国の「債務上限」とは、米連邦政府が国債発行などで借金できる債務残高の枠のことです。債務が法定上限に達すると、政府は議会の承認を得て、上限を引き上げます。しかしながら、引き上げられない場合は、国債の新規発行ができなくなるため、債務不履行(デフォルト)に陥ることになります。米国では過去に何度も債務上限の引き上げが政治問題となってきました。
債務上限が市場の材料となったのは、2011年、2013年、2015年、2017年でした(図表1)。2011年は、8月2日に債務上限引き上げに関する法案がぎりぎりのところで成立したものの、8月5日に米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債の格下げを発表し、市場に動揺が広がりました。また2013年は、10月16日に暫定予算および債務上限に関する法律が成立し、瀬戸際でデフォルトが回避されました。
今年は8月1日から債務上限が復活、米財務省は特例措置で対応中だがデフォルトリスクを警告
最近では、2019年8月2日に成立した超党派予算法(Bipartisan Budget Act of 2019)により、債務上限の適用が2021年7月31日まで停止されていました。適用停止期限が過ぎたため、債務上限は今月1日から復活しています。これを受けて、米財務省は現在、一部の公的年金基金への新たな資金拠出を制限するなどの特例措置を講じ、手元資金をやり繰りしています。
イエレン米財務長官は7月23日、議会上下院に対して、債務上限の引き上げなどの早急な対応を要請し、米国がデフォルトに陥れば、経済と国民生活に取り返しのつかない損害を与えるとの声明を公表しました。なお、米議会はすでに夏季休会に入っており、議会再開は上院が9月13日、上下院そろって再開となるのは、9月20日の予定となっています。ただし、夏季休会返上で協議を行うことは可能です。
与野党の思惑で債務上限引き上げは見通しにくいが、議会がデフォルトを選択することはなかろう
今月1日に復活した債務上限は、28兆5,000億ドルに設定されました。米国の国債発行残高は、直近で約28兆4,600億ドルに達しており(図表2)、米議会予算局(CBO)は、債務上限の復活に伴い、10月にも資金が枯渇する恐れがあるとの見方を示しています。デフォルトを回避するには、債務上限を引き上げる以外に、債務上限の適用を再び停止するという選択肢もあります。
実は、民主党は現在、上院で過半数の議席を獲得しており、財政調整措置により単独で債務上限を引き上げることができます。ただ、民主党は、借金が膨れ上がるこの問題について、共和党とともに対処したい考えである一方、共和党は民主党自身で解決すべきとしており、歩み寄りはみられません。そのため、先行きは見通しにくい状況となっていますが、少なくとも、議会自ら米国のデフォルトを選択することはないと考えます。
<Q&A>米国の債務上限問題って? デフォルトに陥るとどうなる?共和党が難色、バイデン氏は批判
◆共和党を「経済を人質にとっている」と批判
【ワシントン=吉田通夫】バイデン米大統領は10日、東部ニューヨーク州で演説し、連邦政府の債務上限を引き上げられなければ「米国経済ならびに世界経済に大きく影響する」と述べ、難色を示す共和党を「経済を『人質』にとって、デフォルト(債務不履行)に陥らせると脅している」と批判した。
バイデン氏は、デフォルトに陥れば「クレジットカード、自動車ローン、住宅ローンの金利が上昇し、社会保障や軍隊、退役軍人への支払いが止まったり遅れたりする」と危機感を強調。「米国経済は不況に陥り、われわれの国際的な評判は落ち込むだろう」と述べた。
また、共和党のトランプ前大統領が負債総額を40%増やしたと非難しつつ、当時は「共和党は3回にわたってデフォルト回避を決議した」と述べ、今回も引き上げに同意するよう要求した。
バイデン氏は9日、共和党のマッカーシー下院議長らとホワイトハウスで債務上限の引き上げについて協議したものの物別れに終わり、12日に再協議する。交渉が長引いた場合は、19日から広島市で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)への対面での出席を見合わせる可能性に言及した。
◆引き上げが政治的駆け引きの「武器」に
米政府の財政が債務上限に達し、引き上げを巡って民主党のバイデン政権と共和党の協議が昨年に続いて難航しています。債務上限とはどのような問題で、なぜ頻繁に話題にのぼるのでしょうか。(ワシントン=吉田通夫)
Q 「債務上限」とは何ですか。
A 債務というのは多くの場合、借金の返済を指します。ですから「債務上限」とは返済する借金の上限、すなわち借り入れの上限、国債発行残高の上限です。米国では上限額が法律で決められており、修正する権限は政府ではなく議会にあります。
Q なぜ頻繁に問題になるのですか。
A 米国は経済成長とともに歳出規模も膨らみ、債務が上限に達するケースが増えてきました。そして、上限の引き上げは政治的な駆け引きの「武器」として強力なので、特に野党が一定の勢力を持つ場合は頻繁に衝突するようになりました。引き上げなければ政府は資金繰りに行き詰まって歳出を削らざるを得ず、国民生活に支障をきたし、場合によっては借金を返せなくなる「デフォルト(債務不履行)」に陥ります。国内外の経済に大混乱をもたらすので政権は避けなければならず、野党は引き上げに難色を示して自らの主張を認めさせようとします。
Q 米国がデフォルトに陥ったことはありますか。
A 2011年にデフォルトぎりぎりまで共和党が引き上げに反対し続け、格付け大手スタンダード・アンド・プアーズが米国債を初めて格下げし、世界で金融不安が高まりました。しかし、これまでは最終的に与野党が妥結して上限を引き上げてきたため、デフォルトに陥った例はありません。
Q 今回も避けられるのでしょうか。
A 今までと異なり、共和党の中で、デフォルトをいとわない極端なトランプ派や保守強硬派の影響力が強まっています。下院共和党を率いるマッカーシー議長の立場は弱く、譲歩しにくい状況です。米財政は6月1日にもデフォルトに陥るとされ、バイデン氏は広島市で予定される先進7カ国首脳会議(G7サミット)よりも共和党との交渉を優先する考えを示していますが、予断を許しません。
【関連記事】出口見えぬアメリカの債務上限問題 デフォルトに現実味 与野党協議次第でバイデン氏G7サミット欠席も
参考文献・参考資料
「デフォルトもやむなし」とトランプ氏-共和党に債務上限で覚悟迫る (msn.com)
90秒弱で解説 アメリカの債務上限危機、何が問題なのか (msn.com)
米財務長官、デフォルトの危険警告-国際的指導力と安全保障損なう (msn.com)
出口見えぬアメリカの債務上限問題 デフォルトに現実味 与野党協議次第でバイデン氏G7サミット欠席も (msn.com)
バイデン大統領がG7の“ドタキャン”を示唆 岸田首相「成功シナリオ」完全崩壊危機 (msn.com)
議会は債務上限引き上げを、米デフォルトは世界経済脅かす=財務長官 (msn.com)
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