マガジンのカバー画像

クラウドノオト

60
クラウドの音、Cloud Note、Cloudnaut。クラウドコンピューティングと仮想化、周辺技術や文化のnote。 (マガジン「仮想化&クラウドInfo.」から改題)
運営しているクリエイター

記事一覧

Google Cloud認定Professional DevOpsを取得した

昨年末に、Google Cloud認定プロフェッショナルCloud DevOpsエンジニアを取得しました。認定証はこちら。そのほかの取得資格は、とりあえずLinkedin参照で。 Google Cloud - Professional Cloud DevOps Engineer Google Cloud認定プロフェッショナルクラウドDevOpsエンジニア正式名称で言えばこう。もっと言えば英語表記が正式なんだろうけど。 Google Cloudでは独自の認定資格、いわゆる

クラウドネイティブとスモールスタートのミスマッチ

「コンテナをベースに各サービスを分割した、クラウドネイティブを意識した構成でシステムを開発しました。これを稼働させてサービス開始したいのですが、小規模な利用者数から始める(スモールスタート)ときは、クラウド上で稼働させると小さなコストから始められる(スモールスタート)のですよね? 例えば……月額〇万円ぐらいで……?」 そう聞かれて、答えに口ごもる。そう期待するのは、すごくよく分かる。でも期待したようにはいかないことも多い。月額数万円、それも後半になることもある。そうすると、

クラウドネイティブから見たクラウドの小史

Linux Foundation傘下に、クラウドネイティブを定義したりそれに関連するプロジェクトをホスティングする、CNCF(Cloud Native Conputing Foudation)という団体があります。ここで2020年までエグゼクティブディレクターを務めたDan Kohn氏による「A Brief History of the Cloud」というスライドを見つけたので、内容をまとめてみます。 クラウドの小史仮想化されていないサーバー:Sun(2000)。アプリケ

meta社のTwitter風サービス「Threads」のスタートダッシュ

Twitterの「API有料化で始まるディスラプト」への大揺れが収まる気配もなく、とってかわるのはMastdonかBlueskyかといった議論も盛んな中、FacebookやInstaramを運営するmetaからも「Threads」というTwitterライクなサービスが提供開始された。iPhoneのApp Storeには「Threads, an Instagram app」が数日前からあり、インストール予約ができた。今朝起きたらインストール済みになっていたので、さっそく起動して

2030年のウォーターポジティブ

4月末に開催されたAWS Summit Tokyo 2023のコンテンツ(今月24日までオンデマンド配信されている)を見返していて、記憶に残ったことの一つが今年もキーノートで「ウォーターポジティブ」に触れていることだった。キーノート「今踏み出す、変革への第一歩」、動画の24:20からの部分だ。 サステナビリティとウォーターポジティブ動画では「ウォーターポジティブ」と「水利用効率」について語られている。耳になじみのない言葉だけど、これはサステナビリティにおいて低炭素(カーボン

社内プロンプトインジェクションという生成系AIリスク

生成系AI(GAI:Generative AI)が非常に面白いだけでなく、業務にも役立つことが徐々に認識されてきています。以下では、生成系AIならではの特性と、それを活用する三井化学株式会社の事例を取り上げました。 生成系AIの業務導入事例が増えている一方、利用による情報漏洩リスクも指摘されています。そこで単純に利用禁止にすると活用を進める他社/他者に「取り残されるリスク」になるため、両方を解消する自社用生成AIツールの整備に向かう動きも出てきています。この周辺で見落とされ

「3つの“ChatGPT”」問題が解消してた

最近のChatGPTの話題でどうしても気になっていたのが、以下の三つの意味で「ChatGPT」という言葉が使われていて、誤解を生じかねなかったこと。 人工知能モデルとして、「ChatGPT」が使用しているモデル ChatGPTが使用しているモデルをツール(アプリケーション)に組込むために使う、「ChatGPT」API ChatGPT APIの利用サンプルでもある「ChatGPT」ツール OpenAI社が4月24日にブランドガイドラインを公開したことで、これらの呼び分け

公式解説前に想像する「AWSの生成的AIサービスの強み」はコストと環境負荷

ChatGPTを中心にいま最もホットな話題、生成的AIサービスの分野に、先週末はAWSが「Bedrock」というサービスを投入して参戦しました。ユーザーグループイベント情報でおなじみの「AWSユーザーグループ勉強会情報 4/17-5/1|NUMAGUCHI, Shigeru|note」では「今週はAWS Summit 開始で勉強会はすくないですが、AI/ML支部が熱いです」と今晩のAI/ML支部イベントが推されていて、さっそくAWSの中の人からこの辺りのセッションがあるようで

no-reply@signin.awsのメールが本物だった

メールボックスを確認すると「Requirement: Create a new Amazon Web Services password(新しいAWSパスワードの作成が必要です)」というメールが来ていた。差出人は「no-reply@signin.aws」。よくできた攻撃メールだと思ったのだけど、本物だった。こんな内容だ。 AmazonとAWSに同じID、同じパスワードでアクセスしている人に、パスワード変更を指示している。 console.aws.amazon.comからA

2022年のクラウド市場概況

「2021年のクラウド市場概況」同様、今年も昨年後半以降に出たSynergyグループのプレスリリースから、クラウド市場のシェアについておさらい。サマリとしてはこんな感じでしょうか。 クラウドインフラ(≒Iaas/PaaS+ホステッドプライベートクラウド)市場は年間1,950億ドル(+29%成長) Amazon、Microsoft、Googleのトップ3がさらにシェアを伸長 Next 20企業群やそれ以降のロングテール企業群も、シェア低下の一方で市場成長に支えられ売上総額

API有料化で始まる“Twitter後へのディスラプト”

Twitter API有料化の報を見て、Twilogどうなるんだろうと思った。いやTogetterとかもだとさらに思った。Twitterクライアントについては、Tweetdeckというもうひとつの公式クライアントもあってそちらでもいい(いや時間指定とかAI応答とか、高度な投稿用クライアントとして使っていた人にとっては、この時点で既によくない)。でもTwilogとかTogeterとかは別の意味合いがあるのでは。 先日、某氏繋がりの技術系と食べ歩き系と…が混ぜこぜな食事会に参加

AWS認定Solution Architect Professionalを取得した

連日同じようなことを(幸運にも)書いてるけど、AWSの上位資格、Solution Architect Professionalにも合格してしまいました。 GCP資格取得で年内は終わりと思いつつ、翌日終了の再受験無料キャンペーンに間に合わせるため、12月14日に午前中は来年2月に失効するSolution Architect Associate(略称SAA)、午後に初挑戦のSolution Architect Professional(略称SAP)とダブル受験。SAAだけ受かっ

クラウドのコアコンセプトと偽物のクラウド

SalesforceのCRM、GoogleのGMailとGoogle Map、AWSのS3とEC2といった当時広まりつつある何か新しい潮流について、エリック・シュミット氏が「クラウドコンピューティング」と呼んだのが2006年、NISTと呼ばれる米国立標準技術研究所が「The NIST Definition of Cloud Computing(NISTによるクラウドコンピューティングの定義)」を公開したのは2011年でした。 Web2.0と同様に裾野が広がり続け全体像をつか

DevBizOpsとCPU増強の費用対効果

今週初めに問合せ対応で「CPUリソース増強の費用対効果」を相談された。その時考えたことが、一昨日のAWS Innovate Modern Appication Editionのオープニングセッションで話されていた「DevOpsの共通言語づくり」「メトリクスをBizも関与して決めていく」ということと同じというか、表裏の関係だと気づいた。そんなDev・Ops・Bizで決める監視項目の話を書き留めておきたい。 CPUリソース増強の効果って… ある社内システムの運用部門から、こん