レイニー能楽
さて、また京都、今回は上賀茂神社、
こちらを観に・・・
電車の中で山本東次郎さんの本を熟読しました、狂言からの視点で能楽をお話して下さっている内容ですが、人柄が伺えるというか、いい年の取り方をされてるな~ってリスぺしてます。近頃、心理学や精神学関連の本が読めなくなってきた節がある、それ以上にこの能楽を通じた学習の中にある何か奇妙な感じに、とてつもなく深い趣を覚えてしまっているからだろうか。
神事ということで雨天決行、雨天決行って素人からするとさっぱり想像がつかない、どんな状況になるのよ・・・と、思いつつ雨合羽をAmazonでサクッと買って、いざ。
ふと思うのは、バスより電車のがきちんと時間通り到着する確率が高いので、電車で行けばいいのだが、何となくバスに乗りたくなる、で、案の定・・・遅れる。
さて着いた。
雨が降りそうで降らない、こういう所に来ると、雨ひとつが何だか神との関連性だったり、恵みの雨と言ってみたり、そんなに普段気にせず思うことでも何だか意味を持たせて考えてみたくなるし、周りの方々もそういう感じの会話が聞こえてくる、でも、良い感じに思えた。
事前講義でシテさんがお話をしてくださる、ま、バスが遅れたせいで最初の30分聞き逃したけどさっ、けどよっ、老人の面に生えた白髪の作りが馬のしっぽで出来てたり、その結い方にも知恵があって、当時の有るものでいかに工夫するかの部分のお話は正直感慨深いレベルでもある。
さて開演、静観モードにインです。
部分を観るか全体を観るか、そんなことを考えたりしていた。
時折泣き出しそうな曇り空の下でフードをかけたり脱いだり、
ただ感じたのは圧倒的な場の力、空気感というんでしょうか、
それはあまりにも現実離れした光景が目の前に映し出されているのと、
それをどう捉え感じようとしているのかがわからない自身の思考、
とりあえずパイプ椅子に座ってフリーズしているのは確かである、
光源氏が現れ語りだすが、あの赤い装束があまりにも強烈に印象に残っている、
さて、
とありますが、装束は青色がデフォなのでしょうかね、でもでも真っ赤な狩衣で登場でございます、それはそれは視覚インパクトあり〜のです。
あの登場のタイミングで雨が降り出し、ぼやけて見えるその景色、地謡、背景は山林真っ暗、細殿の中での出来事を画面と認識した際、一体何が行なわれているのか、面をかけた大正解的赤装束の光源氏の舞姿に引き込まれた。
空は真っ暗
細殿の明かりの中で
真っ赤な着物姿の仮面のヒトが泳いでいる
フォーカスを変えて観る
雨露の向こうに見える舞台全体
雨露の静かな物音と湿気を含んだ間で聴こえてくる謡い
シテさんがどこか力強く表現されてる感が伝わる、またそれがいい
で、わしは一体ここで何を観とるんじゃと、ふと我に返る
でも、これ、この時間が心地よい
写真が撮れないことが残念仕方がないのですが、
云う所の、これが、「幽」の感じなんでしょうか、
初めて味わうものでした、
雨天決行でさらにその特典が付いた、
ツキの有る時間を過ごしました。
はいっ、能楽って・・・いいですね~。
能楽の解釈には多様性がありますので、1つの見方として参考になれば幸いです。