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人類と自然 一万年の営み: 標津町ポー川自然史跡公園


館の所在地域

 標津町ポー川自然史跡公園は、北海道根室振興局管内の標津郡標津町に位置します。
 標津町は、西部は知床連山から続く根釧台地が、東部は標津川・忠類川等の河川沿いに低湿地が、それぞれ広がっており、豊かな自然環境に恵まれています。約1万年前には既に人類が生活しており、標津遺跡群からは、縄文・続縄文・擦文・アイヌ各文化期の遺物が多数出土しています。
 現在、標津町は農業や漁業が盛んであり、サケ・マス・テンサイ・畜産品等が名産品として知られています。

館の沿革

 同館は、標津に戸長役場が設置されて100年後に当たる昭和55年に開館した総合博物館です。歴史民俗資料館・開拓の村地域・標津湿原標津遺跡群の4つの区域によって構成されます。
 館内では、遺跡群からの出土遺物や郷土史関連資料、湿原に生息する野生生物に関するパネル等が展示されています。また、町指定文化財『御陣屋御造營日記』等、幕末期の会津藩による北方防衛に関する資料が数多く所蔵されていることも特徴です。

館の概要

 同館は、国指定天然記念物「標津湿原」及び国指定史跡「伊茶仁カリカリウス遺跡」を核とします。標津湿原は、約6000年前の縄文海進の際、かつての海が湿原化したもので、釧路・霧多布・ベカンベウシ各湿原と同様の起源をもつことが知られています。湿原内には、植物140種・哺乳類18種・鳥類90種の生息が確認されています。伊茶仁カリカリウス遺跡には、約7000年前の縄文時代から約700年前にかけての竪穴式住居跡2567基の他、チャシ(アイヌの砦)の跡も遺されており、凡そ1万年の間に連綿と継続された人類の生活痕跡が地表より確認可能な貴重な遺跡となっています。
 敷地内面積は、湿原部分が221ha、遺跡部分が407haと極めて広大であることから、無料の貸自転車が用意されています。また、スマートフォンやタブレット端末を用いたARスタンプラリーの他、夏季にはカヌーによるポー川川下り体験(要事前予約)も実施されています。

施設情報

館名: 標津町ポー川自然史跡公園 (Po River Historical Site Natural Park)
住所: 〒086-1602 北海道標津郡標津町字伊茶仁2784番地
URL: https://www.shibetsutown.jp/shisetsu/art_culture/po_river/
公共交通機関: 阿寒バス 史跡公園前停留所 徒歩約2分
※訪問の際は最新の情報をお調べの上お出かけください。

参考文献

辻󠄀 博仁「標津町ポー川自然史跡公園」(國學院大學博物館学研究室編『野外博物館事典 平成30年度中間報告』國學院大學博物館学研究室、平成31年、4頁)

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辻󠄀 博仁
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