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絆や関係を取り戻せることもリハビリテーションだと思う

*これは10月頃に書いたものです。

僕は訪問看護ステーションで理学療法士として勤務しています。

訪問看護は、事務所から利用者さんのご自宅に直接お伺いして看護やリハビリを提供させて頂くお仕事です。

その日は、痛みや筋力の低下でずっとベッド上で過ごされている利用者のお宅に訪問でした。

リハビリも少しずつ進み、短時間であれば車椅子に座ることも可能となってきました。

そこで、「もう今日は秋晴れなので!思い切って外にでちゃいましょ!」と提案。

家族さんも本人も少し不安げだったけど、なんとか了承してくれて、ひっさしぶりの外へ。

めちゃくちゃ暖かい格好をして外にでました。

秋晴れの空は、太陽が当たると意外と暑いくらいで、ポカポカして気持ちよかったです。

しばらく利用者さんと日向ぼっこをして。

そこからは写真撮影大会(笑)

僕は、ご本人や家族さんとのお写真を撮らせて頂きました。

その後は、自宅へと帰宅。

「あー気持ちよかった」と言ってもらえました。
よきよき。

リハビリというと歩いたり、運動したり、という印象を持たれることが多いです。

正直なところ、僕も最初は寝たきりの方にとってのリハビリテーションとはなんだろう?と悩むことが多かったです。

けれど今日、外に出た利用者さんの笑顔、そしてそれをとりまくご家族の笑顔。撮影会。

それを見たら「あ、これもリハビリテーションなんだ」と思えました。

介護をする生活・される生活というのは想像以上に過酷なものです。
容赦無く家族の絆や、それまでの関係といったものを根こそぎ奪っていきます。

しかしながら、
・少しお尻をあげてオムツ替えを手伝える
・座ってお食事を自分で食べられる
・寝返って着替えやすくすることができる

たとえ小さなことでも、本人ができることが増えてくれば家族さんの介護が楽になったり、笑顔が戻ってきたりします。

そうやって、本来であればあったはずの絆や会話、笑顔を取り戻せるのもリハビリテーションなんだなあ〜と、利用者さんとの関わりで、さらに深めることができました。

何かができる、ってことがリハビリテーションの成果ではなく、その人をとりまく関係性の回復やつながりもリハビリテーションの一環なのかな、と思いました。

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