きっと誰もが哲学者|『わからないまま考える』
《わからないまま考えるということ》
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「わからないまま考える」という本を読んでいる。
この本は哲学研究をされている著者が書かれたもの。
世界中の哲学者や作品を、著者が紐解くエッセイのような形態をとっているので、哲学者に疎い僕にはなかなか内容が入ってきにくい。
書かれていることは、正直ワケがわからなくって、うまく読み解けてはいない。
けど、この本から無理やり「わかった」ことが2つある。
1つは、哲学とはわからないまま考えることだ、ということ。
もしくは、わからないけど考えることだ、ということ。
今まで、哲学っていう言葉をなんとなく使ってきたけれど、ああ哲学っていうのは、わからないものをわからないまま考える行為なんだな、と腑に落ちた。
最大の哲学者アリストテレスは「人間は火、水、空気、土の四大元素が基礎になっている〜!」なんてことを提唱していた。
アリストテレスの思想は、現代科学においてはほとんどが誤謬で間違っていると指摘されている。
それでも、アリストテレスが現代においてまでも「知の巨人」と呼ばれているのは、わからない中でも考え続けたからだ。
哲学は、決して事実や間違えのない答えを示すものでない。
哲学とは、わからないものをわからないまま考える態度。そのもののことを言ってたんだ。
もう1つは、「わからない」ってことが意外と心地いいってこと。
多くの情報に触れたり、わかりやすい解説に触れると、何でももの知ったかのような錯覚に陥る。
なんでも理解できるような気がする。
けれど、こういった自分にとって難しい本にぶつかって、「?」が沢山浮かぶことは、意外と心地よかった。
「わかった!」って瞬間も最高に気持ちいいんだけど、「わからない!」ってものがまだ目の前にあるっていう事実も、少しワクワクさせてくれる。
よくよく考えると、世の中が「わかる」もので溢れていたら、それはそれでつまらないだろうと思う。
「わからない」ことに触れるから、知りたい!わかりたい!挑戦したい!って欲求が出てくるんだろうと思う。
僕の場合、以前はわからないまま放っておいたりすることが多かったのだけれど、
わからないまま考える=哲学
と、捉えると、なんだか自分が哲学者にでもなった気がして、考えることについてのハードルが下がった気がした。
むしろ、答えを知るよりも、自分なりの答えを見つけることが少し楽しみになった。
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本書に
という言葉がある。
これを読んだ時、「あ、noterさんはきっと皆んな哲学者なのかも」と、思った。
どんな人でも、人生いろんな壁にぶつかることがあると思う。わけもわからん壁に。
日常で起こる「わからない」壁に対して、自分なりの真実を見つけていく。
そうやって哲学した出来立てほやほやのものを共有する。
それがnoteなのかもって。
ちょっと自分には、背伸びした本だったけれど、この本からちょっとだけ哲学出来て、それはそれで読めて良かった。
これからは、いや、これからも「わからないまま考える」ことを大切にしていこうと思えた。
それではっ!