23時すぎの電車が好きだ@下書き博物館
【下書き博物館】
以下の文章は、下書きに眠っていた文章を掘り起こしたものです。
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23時を過ぎた電車が好きだ。
今日もその時間の電車に乗った。
ここでも僕の「この人は何者だ」センサーが働くのだが、酔っ払ってウトウトしてる人、サラリーマン風で電車でもPCをパチパチしてる人、電車の中でも構わず大笑いしてる人。
通勤時より、人が少ない分、一人一人が際立つこの感じ。
コロナ禍の渦中にあって、もう流石に騒ぐ人というのもそんなにいないからか、今日は余計に静かだった。
聞こえる音は、電車のガタンゴトンと車掌さんの案内の声だけ。
そして、窓から見える外の景色は殆ど明かりがなくて、まるで駅から駅へワープしているかのようだ。
この時間にそうやって書く文章は、なんだかセンチできっと後から読み返すと自分でも気持ち悪いのだろう。
だけど、人ってそういうときもあるよ。
カフェでスケジュール帳やノートを開くより、ガタンゴトンと暗闇を進む電車の中の方が自分を見直す時間になったりする。
ウトウトとしてる人、スマホをいじってる人。本を読んでる人、音楽を聴いてる人。それぞれの人生を乗せてワープする23時過ぎの電車が僕は好きなのである。
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ここまでが、おそらく去年の年末くらいに書いたお話。
そして、今また23時すぎの電車に乗っている。
その頃のコロナ禍とはちがって、今日は人が多い。
緊急事態宣言も開けて、お店の時短営業も開放されたためか、今日の車内はどこか皆楽しげだ。
キャリーバッグを持ってる人
英語を話す人
ギターバッグを持ってる3人組
寝てるサラリーマン
楽しそうに話す人たち
吊り革を持ちながら寝落ちしそうな人たち
今日もいろんな人たちの人生を乗せて、23時すぎの電車が走る。
彼らは、この時間まで何をしてたのか、これからどこへ向かうのか。
乗客の過去と未来を乗せて、23時過ぎの電車は、線路の上を走る。
それでは、僕も一眠りします。
おやすみなさい。
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