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2022年1月読了本を紹介します@つじりの図書室

こんばんは!
今日は、毎月恒例の「読んだ本」について紹介したいと思います。
今月は8冊読みました。

1.「超」勉強力/中野信子/山口真由

新年明けると何かを学びたくなるよね〜ってことでBOOKOFFウルトラセールで購入したのが、この本。
学ぶことは生き延びること」という中野さんからのメッセージが1番心に残ってます。
「人間は根源的に死を避けるために学んでいる」のだという、学ぶことの“そもそも”を知ることが出来て、納得した。
人から認められるとか、成長するためにも、学ぶことはもちろんなんだけど、そもそもこの世界や社会で生き延びるために、僕たちは日々何かを学んでるんだなあ〜と思いました。

↓noteにもまとめてます。


2.同志少女よ敵を撃て/逢坂冬馬

本書は一冊の戦争小説として完成してました。
今まで戦争ものの小説なんて読んだことがなかったにも関わらず、登場人物たちの境遇や描写に、比喩抜きでページをまくる手が止まらなかった。

大事な物語の中身については、
“戦争”という環境そのものの重さがあるので、
僕には語れない。
けれど、ほんとにほんとに、感動した。

登場する人物たちは、誰もが僕たちと変わらない。
主人公を始めとする少女たちも、狙撃手として、女性として様々な葛藤に苛まれる。

「同志少女よ、敵を撃て」

とは、彼女達の迷いを断つための勇気の言葉であり、同時に少女達を狙撃手へと変貌させるための残酷な言葉でもあるのだと感じました。


3.文章術のベストセラー100冊のポイントを一冊にまとめてみた/藤吉豊/小川真理子

最近は「技術ってマナーだよな〜」って思うようになりました。
文章で言えば、「伝わるかどうかは読者に任せる!」みたいな主張もあるかと思います。
たしかに「伝わるかどうか、気にいるかどうか」は読者次第なんだけど、前提として伝わる技術を身に付けたり、体裁を整えたりするのはマナーだと思うのです。
他にも人を助けようとしたりするときも、それなりの技術が求められたりする。
技術っていうのは、人に何かを施す以前のマナーのようなものなのだ、と最近は解釈しています。


4.お探しものは図書室まで/青山美智子

この本は、5編の連作短編集で、5編とも違う主人公の物語です。その5編の主人公全員が、ある図書室の司書さんに一冊の本を勧められて、その本から人生を開くヒントを得るというお話。
その本の種類が「読めばわかる!◎◎の方法60」みたいな本ではなく、絵本や図鑑などの一見して「これでどうやって人生が開くんだ?」という本ばかりです。
読む人が何を求めているかが大事であって、本から何を得るのかは、その人次第。
読書にまつわる原点に立ち戻れた気がします。


5.ホテルローヤル/桜木紫乃

波瑠さん主演で映画化もされた本作。ずーっと前から積読してあったのですが、遂に読んでみました。この小説は1〜7章に向けて過去に遡っていく構成で、ラブホテル『ホテルローヤル』が様々な人の物語の現場になっているロマンを感じることができて、とても良かった。
ラブホテルは、どうやら日本独自の文化らしい。
出来た理由は「大きな声を出せるから
言いたいことは小さな声でしか言えない、なんとも日本人らしい理由だと思いました。


6.私が食べた本/村田沙耶香

本書は、作家 村田沙耶香さんによる読書評本です。
本書の巻末には作家 島本理生さんの解説があって、その中に

p.267|
書評って食事みたいなのだ。食した本が自分の中で混ざり、取り込まれて血肉となり、形になる。

とあって、うわ!と思った。

『私が食べた本』
だなんて、村田さんらしい面白いタイトルだなあ〜
と思っていたけれど、僕も食べていた
読んだ本たちを、食べていた。
本から受けた言葉や、印象、感情、そして思考を
言葉にすれば、それは“食べている”。

いつの間にか筋肉に変わるタンパク質と同じように、本はひっそりと自分の血肉となっている。
たぶん、これからも食べ続ける。これからも本を欲し続ける。そして僕もまた、食べた本を紹介し続けるのだと思う。


7.自分の意見で生きていこう/ちきりん

社会派ブロガーのちきりんさんの本。
テーマは〈意見すること〉について。
世の中には〈正解のある問題〉と〈正解のない問題〉の2種類があり、正解のある問題は誤答はあるが、正解のない問題には誤答はない。あるのは意見だけ。
にも関わらず、人は「自分の意見は間違っているんじゃないか?」という思慮に駆られ、なかなか自分の意見を語ることができません。
でも、意見がなければ周りに反応して生きていくことになり、自分本意で生きることができない。

自分の意見を持つことについて教えてくれる超良本。めっちゃオススメです!


8.黒牢城/米澤穂信

歴史小説を読むは初めてで、出てくる文言が「ござる」や「申しまする」などの言葉が多く、正直僕にとっては読みやすい本ではありませんでした。
主人公の荒木村重は実在する人物で、この武将は、「部下や民を置いて有岡城から逃げた」という汚名を負った人物でもあります。
果たして、その汚名をどのような経緯で着せられるようになったのか。本当に、彼は逃げたのか?
史実に基づきながら、史実にはない荒木の戦いがこの本にはありました。
ちなみに本作はミステリー大賞も受賞しており、全部読んで秘密が分かる、ミステリ好きにはたまらない一冊でもあります。


黒牢城が重厚すぎて、読むのに1週間くらいかかりました。
が、めちゃめちゃ楽しめました。
歴史小説童貞を捨てることが出来たので、これからは歴史小説も読書の範疇に入れていきたいなあ〜と思います。

それでは、また!


12月に読んだ本↓

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