間違いだらけの顧客中心主義(1)〜「お客様第一主義」とは似て非なるもの
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皆さんこんにちは。通販エキスパート協会事務局です。
当協会は文字通り「通販のエキスパート」を目指す方々に向けた資格「通販エキスパート検定」を実施しています。
今回から、「顧客中心主義」について何回かに分けて書きたいと思います。顧客中心主義はCustomer Centricityの訳語で、2018年の日経BP「最新マーケティングの教科書」でも取り上げられました。
この顧客中心主義ですが、古くから日本にある「お客様第一主義」や「お客様視点」と同一視されがちです。皆さんの中にも、この顧客中心主義と聞いて、「自社都合・自社利益中心主義」ではなく、顧客の側に立った発想をしよう、という考え方だと思われる方も多いのではないでしょうか。
しかし、顧客中心主義の原語のCustomer Centricityは、海外では「製品中心ではなく、顧客中心の発想でマーケティングや組織運営を考える」という文脈で使われています。
例えば、事業計画を立てる際、製品中心の考え方では、自社の売上を「取り扱い製品(あるいはサービス)売上の合計」と捉えます。一方で顧客中心の考え方では、「各顧客セグメンテーション(自社顧客を収益性や購買特性などでいくつかにグルーピングしたもの)からの売上の合計」と捉えます。
製品をいかにたくさん売るか?ではなく「重要な顧客とはどのような顧客か?」「その顧客にいかに関係を長期間継続してもらうか?、顧客関係が継続している間、いかにたくさん購入してもらえるか?」ということを重要視する、ということです。
この考え方は、1990年代に一斉を風靡し、いまデジタルマーケティングの普及で改めてクローズアップされているOne to Oneマーケティングの考え方とも繋がっていますし、昨今のLTV経営のベースにある考え方とも言えます。
(次回に続く)