【読書】君はきっとまだ知らない
最近
高校生の三男とわたしは
読書の話をする読書仲間だ。
お互いに
よかった本のおすすめなどをしている。
そんな三男が
最近これめっちゃよかったよ!
泣けるからぜひ読んで!
と
おすすめしてくれたのが
この本。
三男は最近
この作者の本をよく読んでいる。
『君はきっとまだ知らない』作:汐見夏衛
高校生のいじめの話。
正義感の強い主人公が
クラスで目をつけられて無視される。
そんな辛い状況の主人公に
幼なじみの友人が寄り添っていく。
途中で
え…!!そうだったのか…!!
となる不思議な展開があり、
一気に読めてしまう。
高校生の繊細でやわらかい心に
ぐっと刺さる作品だ。
キンモクセイが咲き
銀杏が色付くこの季節に
ぴったりの本だった。
いじめに負けないよう
強く立ち向かおうとしても
心を折られていってしまう。
こんなわたしじゃないはずなのに…
と
無視される自分を恥じるようになってしまう。
いじめるほうが悪いはずなのに
なぜか自分が悪いように感じてしまう。
そして
周りに心配をかけたくないと
ひとりで抱え込むうちに
どうにもならないほど辛くなってしまう。
大人なら、
相談すればいいんじゃない?
いじめるほうが悪いんだから堂々としてればいいんじゃない?
なんて簡単に片付けるかもしれないけど、
簡単にそうできない気持ちが
とてもリアルに伝わってくる。
作者の汐見夏衛さんは
高校の国語の先生をされていた方なんだそうだ。
あぁ…
若い人たちに伝えたくて
この作品を書いたんだな…
この作品は
いじめをしていた人たちが反省したり改心したり
いじめが改善したり
というような展開ではない。
そこに
汐見夏衛さんが伝えたかったことがこもっているような気がした。
若い人に本をおすすめしてもらうのは
いいもんだ。
他の汐見夏衛作品はこちら。