今週の書評欄 20240908
今週も、日経、読売、朝日、毎日、西日本の各新聞書評から、おもしろそう本をメモしてします。
●テヘランのすてきな女
イランの女性たちへのインタビューを通して、イラン社会を描いた本とのこと。きっかけは相撲好きな著者が、イランにも女子相撲があると知ったことらしい。おもしろそう。
●ダーク・マターズ――監視による黒人差別の歴史とテクノロジー
監視することと差別の関係を社会学者が再検討を促す内容のようだ。フーコーらのパノプティコン論には人種の観点が抜けていると主張しているとのこと。奴隷船が監視に適した構造に設計されていたり、ランタン法という、日没後には小さいランプを持つよう強制していた具体例を挙げつつ論じている。
●地図とその分身たち
「地図の歴史は、浮遊する眼への憧れと表裏一体だった」レベッカ・ソルニットの、ウォークスの翻訳者が書いた本。地図と私たちの世界認知の仕方の関係がおもしろそうだ。
●将棋と文学セレクション
日本文学と将棋の関連を論じた本。
将棋の世界観は、近代の戦争観にも少なからず影響してそうな気もするので、日本近代史と結びついているのかもと思った。山本五十六も好んで将棋を指していた。