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遠距離恋愛が苦手な社長が、フルリモート体制の会社をつくって学んだこと。

こんにちは。さおりすです。
デビさんが2022年11月に株式会社つぶだてるを創業して1年が経ちました。
今回はデビさんにインタビュー形式でお話を伺いました。最近はリモートで働く方も多いのではないでしょうか。ふと、寂しさを感じることはありませんか?興味深い内容ですので、ぜひ読んでみてください。

ーー遠距離恋愛は得意ですか?

やったことないんです。
できないってわかってるんで、遠距離恋愛になるってわかった瞬間に別れます。

ーーハッキリしてますね。どうして遠距離恋愛できないんですか?

毎日会いたいからです。

ーーそうなんですね。今のフルリモートの働き方って遠距離恋愛に似ていませんか?

似てると思います。
遠距離恋愛したことないからわからないですけど……(笑)

つぶだてるでは皆フルリモートで働いてるんですけど、
テルとは東京ー福岡で離れて働いているので、遠距離恋愛をこじらせたみたいになりました。

ーーどんな感じですか?

気持ちのスレ違いが生じるというんですかね。

相手が何を考えているのかわからなくなるというか…。

僕にはテルがファイティングポーズをとっているように見えてしまっていたんです。
お互いに言いたいことが言えずに、言葉が胸につっかえているような感じです。
身体に例えると、血がうまく流れずに血管が詰まっちゃってるような。

ーー身体も会社も健康でいたいですね。

そうですよね。
このままだと破滅の道しか見えなくて、もうアカンってなって思って、
週1回、30分やっていた業務の進捗共有の時間を1時間に延ばして、もっとお互いに思ってることや感じてること、「最近どうなん?」というような、フリーに話せる時間を作りました。

ーーやってみてどうですか?

よかったです。

「ちょこっとコミュニケーションの大切さ」をめっちゃ感じました。

ーー「ちょこっとコミュニケーション」とは?

そのまんまなんですけど、ちょっとしたコミュニケーションをおろそかにしないことが大事だと思いました。

同じ空間にいれば、ちょっと違和感を感じたり、気になることがあっても、相手に伝えやすいと思うんです。でもそこに物理的な距離があると、わざわざSlackや電話までして言うことでもないと言葉を呑みこんでしまうんですよね。

文章を送って誤解を生んだら嫌だなとも思うし。
ちょっと感じた違和感を、また今度オンラインの時に話そうとか、これは会って話したほうがいいとか……。
気持ちを伝えることを先延ばしにしているうちに、溜まった気持ちが不安や不満に変わっていくのかなと思います。

相手の気持ちを確認することをしないまま、不安や不満を溜め込んでいると、相手の行動や発言の背景を勝手に悪い方へ悪い方へと想像してしまうんですよね。

これはよくないですよねーー。

時間をとってお互いの気持ちや感じていることを吐き出し合ってみたら、
「そんなふうに感じてたんや……」と発見や気付きがたくさんありました。

ーーどう感じていたんですか?

お互いが「ファイティングポーズ」をとっているように見えてしまっていたんです。

僕はいい関係でやりたいと思っていたんです。
でも僕の行動や発言がテルにはそうは見えていなくて、不信感を与えてしまっていたことがわかりました。

ーーデビさんの気持ちは伝わっていなかったんですね。

そうです。
僕はいい関係でいたいと思って接しているのに、なぜ伝わらないんやろう……と思ってました。

でも、わかったんです。
伝わっていなかったのではなく、伝えていなかったんです。

僕の気持ちをテルにちゃんと伝えていなかった。
テルの気持ちも聞いていなかった。

ーーなぜデビさんの気持ちを伝えていなかったんでしょう。

お互いを知っている仲だからこそ、「これくらい言わなくてもわかってくれるだろう」とテルに甘えていました。僕は自分のことを「コミュニケーションが得意な方だ」と思っていました。その奢りもあって、テルと丁寧にコミュニケーションをとることを怠ってしまっていたんです。

僕の気持ちを伝えることをサボってしまっていたんですよね。
同じように、テルの気持ちを聞くこともサボっていました。

7月頃までは毎月東京に行って、一緒にお客さん先を回ったりたくさん会話していました。
でも最近は僕が東京に行く機会も減り、オンラインだけで会話するようになっていたんです。

ーーだんだん、二人の間に物理的にも心にも距離ができていったんですね。

そうですね。
今回テルの僕に対する気持ちを聞いて、僕自身も合同会社こっからを仲間と創業した時のことを思い出したんです。

みんなが各々で事業をやるなか、僕ひとりで人材紹介事業を始めました。リクルートで人材紹介の経験はあったのに、それでも、いざひとりでやろうとすると、うまくいかなくて悩むことがたくさんありました。でも、他の仲間には相談しづらかったんです。

テルも人材紹介の経験はあっても、新しい環境で、且つ東京でひとりでやることは大変だったと思います。そこまで僕は、思いを馳せることができていませんでした。

つぶだてるの親会社である合同会社こっからは、僕ら同級生6人でつくった会社です。馴れ合いでお互いに何も言えなくなることが一番恐ろしいです。
だから半年に1回の経営会議で、お互いが思っていることを言葉にして伝える「場」を必ずつくっています。これがあったからここまで続いているのではないかと思います。

大切なことは、相手が言ったことを「一旦、受け取る」ことなんです。
言われたことに対して反応はしない、「受け取る」ことが大切です。

みんな思っていることを伝えるけど、それに対する解決策をその場で求めることはしません。感じていること、思っていることを、言葉にして相手に一旦相手に渡します。

この「場」があることで、自分のことをこう思われているんじゃないか……という勝手な解釈を生むことなく、言われた言葉を受け止め、その上でどうしていくかを考えることができています。

今回、テルが感じていたことを言葉にしてくれたので、僕も受け止めて動いていきたいと思っています。僕もテルに気持ちを伝えました。

ーーお互いの気持ちを伝えて、受け取りあうことができたのですね。

そうですね。

率直な言葉をもらうと、どうしても最初は相手の言葉にイラっときたり、「反応」してしまうこともあります。でも、それを一旦受け取る練習をすることが大切なんです。受け取って、自分で考えて、動く。

つぶだてるでも、お互いに気持ちを言葉で伝える、受け取る「場」をつくっていこうと思います。

あとは、テルも彩乃ちゃんも、僕が昔から知っている人だからこそ、コミュニケーションをサボってしまいそうになります。最初はまだ気を遣っているけど、だんだん、もうそろそろ大丈夫かな……と思ってしまう瞬間がくるんだと思います。
この「もうそろそろ大丈夫かな……」と思った時がマズいですよね。

よく夫婦も他人だということを忘れてはいけないって言うけど、組織も同じですね。相手への気遣い、話を聞くこと、伝えること、コミュニケーションをサボってはいけないということを今回学びました。

ーー学びが大きいですね。

去年の11月に株式会社つぶだてるを創って、4月に正式にテルが入社してくれて、8月に彩乃ちゃんが入社してくれて、業績は順調に伸びていますが、これから組織を大きくしていく上で、僕自身がまだまだ視点を引き上げていかなければならないと感じています。

今、組織が揺れ動きながらも、前に進んでいく感覚を味わっています。
この揺らぎは強さに繋がると思っています。

最短距離で成長を追い求めていくのもいいですが、こうして揺れながら自分たちが強くなって、事業を前に進めていけるのもいいなと思っています。

ーーこれからは、遠距離恋愛もうまくやれそうですね。

そこは、愛する家族がいますからね(笑)


僕とテル。
安心してください。揺らぎながら一緒にやっています。


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                   (インタビュー・文=さおりす


僕の自己紹介はこちらを読んでいただけると嬉しいです。

つぶだてるのテルです。

つぶだてるの彩乃ちゃんです。

最後に
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