嫌いだった雨が少しだけ好きになった話
私が生まれ育った場所は、よく雨が降る場所だった。
大事な部活の大会の日も、
友達と遊びに行くときも、
気になる彼との初デートの日も、
大学受験の日も、ずっと雨。
しかも一度降り出すと止まらない。
気分も鬱々としてしまう、そんな天気がとても嫌いだった。
通学バスに大事なかばんを忘れてしまったのも
最近友人とうまくいかないのも
部活でも試験でもいい成績が残せないのも
ぜんぶ薄暗い雨のせいだ。
いつか、こんな場所出ていって天気の良い場所で一生暮らすんだ、
そうして大学進学を機に、私