美しく切ない少年たちのフランス映画「Summer of 85」
U-NEXTで、
美しい映画を見た。
フランソワ・オゾン監督の
「Summer of 85」という作品だ。
ものすごく簡単に説明すると、
アレックスという16歳の少年が
ダヴィドという18歳の少年に出会い、
惹かれあい別れるまでの話だ。
文字にすると
至極シンプルなストーリーなのだが、
これほどまでに
言葉にできない確かなものや
この年代ならではの葛藤、
心身ともに不確かな状況が
繊細に描かれた作品だ。
そしてフランスの景色や
(海沿いの街、ル・トレポールだそうだ)
音楽、フィルムカメラっぽい加工が
全て切なくて美しい感じを
出してくれる。
映画の中でアレックスは
羨ましいくらい純粋で、
そしてダヴィドの
愛を信じない不安定さが
どうしようもなく憎い。
その2人が織りなす絆は、
痛々しいくらいのもので、
自分の年齢で見ると
いつかはダメになってしまうと、
分かりきった儚さも垣間見れる。
最終的にアレックスとダヴィドは
別れを経験するのだが、
あの2人の”1985年”は
永遠に残り続けるのだろうと
いう確信を感じた強さもあった。
それにしても、
この映画はどのシーンも
切り取っても美しい。