デザインを経営に取り入れる③ー価値創造するデザイン思考とはー
前回ではデザイン経営は誰とするかについて、お話ししました。
まだ読んでないよ!という方はこちらからお願いします。
今回は「価値創造するデザイン思考とは何か」について話していきたいと考えています。
「価値」とは?
まず「価値」とはなんでしょうか。
「価値」は高級さや希少さ、高機能などを指す言葉と考える方もいらっしゃるかもしれません。
それはいわゆる「価値」でなく、提供者側の掲げる「特徴」に近いものと言えます。
「価値」はあくまで顧客が感じるものです。
いくら高級で、珍しいもので、機能が良くても、顧客がそれを「価値があるもの」と見なさなければ、それは「価値のないもの」になってしまうのです。
では「価値」とは何なのか?
「価値」とは、顧客にとって「目的の実現に役立つもの」です。
「価値」には種類があります。
この中の「意味的価値」が顧客の目的の実現を叶えるものになります。
なので、まず顧客にとっての「価値」とは何なのかを知ることが、顧客に価値を伝えたり、届けることにつながっていくのです。
価値を創造するためのデザイン思考とは?
では顧客にとっての「価値」は何なのかを理解し、価値を創造するためにはどうしていけばいいのでしょうか。
手順は上記のサイクルです。
PDCAサイクルのような図ですが、まさにそんな感じです。ぐるぐる回しながら品質や精度を高めていきます。
まずは、ニーズ定義に入っていきます。
大前提としてのニーズは「顧客は本当に欲しいものを知らない」という事実があります。
それを仮説で検証していく必要があるのです。
どういうこと?と思われたでしょうか。
分かりやすくゲーム機「Nintendo Switch」を例に説明していきますね。
顧客の声を参考にはしますが、鵜呑みにすると見誤りますので、注意が必要です。
あくまで顧客の声や観察したものを「洞察」して、そのうえでいくつも仮説を立てていくことが大事です。
どういう商品をどういう市場で販売していくか?の仮説
どんな商品・サービスも「お客様がだれで、どんな価値を提供できているか」を説明できることが大事です。
同じ商品でも販売場所(市場)が変わると、顧客が変わり、用途や「価値」は変わります。どの市場に参入するのかというのも、考察には必要です。
まずはここから事業を構築していく必要があります。
・その後「この商品・サービスでニーズを満たすことができるか」技術的な課題を解決できるのか検証
・絶対価値の大きさの検証 「実際顧客となりうる人は、お金を払ってくれるのか」「お金を払う価値があると思ってもらえそうか」
・チャネル選択「どういうチャネルで販売して顧客に届けるのか」の検証
・大量販売していくことで、 ユニットエコノミクス(商品1個当たりの利益を改善できるか)→成長可能なビジネスモデルを作ることができるかの検証
などを経て、実際に事業として立ち上がっていきます。
こういった事業の構築にデザインの考え方=デザイン思考が採用され、たくさんのヒット商品が世の中に誕生するのです。