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デザインを経営に取り入れる③ー価値創造するデザイン思考とはー



前回ではデザイン経営は誰とするかについて、お話ししました。

まだ読んでないよ!という方はこちらからお願いします。


今回は「価値創造するデザイン思考とは何か」について話していきたいと考えています。


「価値」とは?


まず「価値」とはなんでしょうか。

「価値」は高級さや希少さ、高機能などを指す言葉と考える方もいらっしゃるかもしれません。

それはいわゆる「価値」でなく、提供者側の掲げる「特徴」に近いものと言えます。

「価値」はあくまで顧客が感じるものです。


いくら高級で、珍しいもので、機能が良くても、顧客がそれを「価値があるもの」と見なさなければ、それは「価値のないもの」になってしまうのです。

では「価値」とは何なのか?
「価値」とは、顧客にとって「目的の実現に役立つもの」です。


「価値」には種類があります。


この中の「意味的価値」が顧客の目的の実現を叶えるものになります。


なので、まず顧客にとっての「価値」とは何なのかを知ることが、顧客に価値を伝えたり、届けることにつながっていくのです。


価値を創造するためのデザイン思考とは?


では顧客にとっての「価値」は何なのかを理解し、価値を創造するためにはどうしていけばいいのでしょうか。

手順は上記のサイクルです。
PDCAサイクルのような図ですが、まさにそんな感じです。ぐるぐる回しながら品質や精度を高めていきます。

まずは、ニーズ定義に入っていきます。
大前提としてのニーズは「顧客は本当に欲しいものを知らない」という事実があります。

それを仮説で検証していく必要があるのです。
どういうこと?と思われたでしょうか。

分かりやすくゲーム機「Nintendo Switch」を例に説明していきますね。

①「顧客はほしいものを知らない」ので「行動や声を観察に、洞察する」
・ある時、小学生のお子様がいらっしゃるママさんを対象にインタビューした所「ゲーム機なんていらない」という返答が多く返ってきた。

なぜそう答えるのか?を深掘る。
・核家族化が進み、自分の部屋を持っている子供が多い。
・自分の部屋でゲームばかりする。
・「ゲームをやめなさい」というのがしんどい。

「ゲーム機のせいで家庭がこのような状態になっている。」

「だからゲーム機はいらない」と言っているのかも。

「本質を見極める」
ではこのママさんが本当に欲しいものは?
「ゲーム機が奪ったのは、家庭の団らんの時間や会話の数」
「ゲーム機という商品をなくすことが真の目的ではない」

「以前のように家族の団らんの時間を持ちたい」

「家庭の団らんにもなるゲームを開発すれば、いいのでは?」


「アイデアを形にする」
・マリオパーティ、世界の遊び大全など家族でできるゲームを試作。


「顧客に体験してもらい、検証する」

⑤「繰り返して、質を上げていく」

顧客の声を参考にはしますが、鵜呑みにすると見誤りますので、注意が必要です。

あくまで顧客の声や観察したものを「洞察」して、そのうえでいくつも仮説を立てていくことが大事です。


どういう商品をどういう市場で販売していくか?の仮説


どんな商品・サービスも「お客様がだれで、どんな価値を提供できているか」を説明できることが大事です。

同じ商品でも販売場所(市場)が変わると、顧客が変わり、用途や「価値」は変わります。どの市場に参入するのかというのも、考察には必要です。


まずはここから事業を構築していく必要があります。

・その後「この商品・サービスでニーズを満たすことができるか」技術的な課題を解決できるのか検証

・絶対価値の大きさの検証 「実際顧客となりうる人は、お金を払ってくれるのか」「お金を払う価値があると思ってもらえそうか」

・チャネル選択「どういうチャネルで販売して顧客に届けるのか」の検証

・大量販売していくことで、 ユニットエコノミクス(商品1個当たりの利益を改善できるか)→成長可能なビジネスモデルを作ることができるかの検証

などを経て、実際に事業として立ち上がっていきます。

こういった事業の構築にデザインの考え方=デザイン思考が採用され、たくさんのヒット商品が世の中に誕生するのです。

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