音楽であふれるパリがモノクロ写真でやってきた📷ドアノーと一緒に歌って、踊って、恋をしよう✨
ロベール・ドアノーはパリの音楽風景をたくさん撮影した写真家でした。Bunkamuraザ・ミュージアムの『写真家ドアノー/音楽/パリ』展は、音がないのに会場は音楽に満ちており、日曜ヴァイオリニストを自称する音楽大好き人間のつあおは、最初から最後までご満悦。フランス映画やクラシック音楽が好きなまいこはまいこで勝手にパリの空気に浸っています。
つあお パリと言えばアコーディオンです!
まいこ こんなに若くて綺麗な流しのアコーディオン弾きもいたのですね。ドアノーが写真に撮ってる! 驚きました。
ロベール・ドアノー《流しのピエレット・ドリオン》(パリ、1953年2月)展示風景
つあお アコーディオンはすごく哀愁漂う音楽を奏でる楽器だから、たわくしは大好きなんですよ。
まいこ 音に独特の雰囲気がありますよね!
つあお ヨーロッパっぽい!
まいこ 確かに、ヨーロッパ旅行に行くと、街かどや地下鉄の構内また電車の中でも楽器を弾いてる人がたくさんいますよね。
ロベール・ドアノーが撮ったパリの街角には音楽があふれていた
つあお 特にパリはそうですよね。やっぱり音楽の街なんだなと思います。
まいこ 今回ドアノーの写真を見て、パリではこんなにたくさん街なかで音楽を奏でている人がいるんだなと改めてびっくりしました。
つあお そうそう、ドアノーって音楽の写真を本当にいっぱい撮ってる!
まいこ 50年代くらいのドアノーは、「ジャーナリストの友人と夜の町の人々を撮ることを日課にしていた」とあるので、その時輝いていたのが市民たちの音楽シーンだったのかもしれませんね。特にこの展覧会は、音楽にフォーカスしてるみたいですね。
つあお 音楽好きのたわくしとしては感無量です 涙
まいこ つあおさんはヴァイオリニストですものね ♫
つあお ハハハ、知ってましたか。日曜ヴァイオリニストです!
まいこ 知ってますよ! コンサートも聞きに行きましたし。
つあお しまった! 聞かれちゃったのか 汗…ということは置いておいて、このアコーディオンを弾いてる女性がいるところ、なかなかすごい場所ですね。
ロベール・ドアノー《流しのピエレット・ドリオン》(ティクトンヌ通り パリ、1953年2月)展示風景
まいこ 場末の食堂なのでしょうか。なんか労働者階級らしき人々がたくさん集っているように見えます。
つあお ドアノーが撮ったパリは、本当に町じゅうに生の音楽があふれてたっていうことか。
まいこ きっとそうですよ! 私はパリのそういうところが大好きです。さりげなく街なかに音楽やアートがあふれてるんですよね。
つあお そして、ちょっと哀愁が漂うアコーディオンの音がすごく合ってるような気がします。シャンソンにも通じるものがある!
会場に展示されていた、当時のものと思われるアコーディオン
まいこ お客さんたちが結構質素な食事をして いて、ワインを傍らに置いてる雰囲気も、なんかかっこいい! まるで、ゴッホの絵の中の人みたいにも見える。ちょっとくたびれたおじさんとかが水とワインで料理を食べたりしてるんですよね。
つあお ゴッホもそうだけど、やっぱりドアノーはパリの空気を撮影するのがすごく上手だったんだなぁと思います。
まいこ 空気感を感じますね。みんなとてもリラックスして、いい感じでアコーディオンに聞き入ってる。次の1枚は、お肉屋さんでアコーディオン弾いてます!ちょっとお肉を買いに来るお客さんも、休憩中のお肉屋さんも音楽を楽しむ余裕♪ さすがパリっ子!
ロベール・ドアノー《音楽好きの肉屋》(パリ、1953年2月)展示風景
つあお うぉー! 聴き入ってますね! やっぱり街じゅうに音楽が満ちていたんだ。第二次大戦後わりとすぐ撮ったものが多いから、人々は音楽を求めてもいたんでしょうね。もう1枚気になったのは、ヴァイオリンを弾いているところを撮った写真です。
ロベール・ドアノー《サンタクロースとヴァイオリン弾き》(1952年)展示風景
まいこ さすが日曜ヴァイオリニストのつあおさん! 街中でおもむろに弾いてるんだけど、子どもが1人見ているだけで、後は誰も聞いてなさそう。でもかまわず弾いてる。
つあお 子どもたちはみんなサンタクロースに夢中ですね。でも、こうやって1人寂しくおじさんがバイオリン弾いてるのがまた裏寂れた感じがしていい。
まいこ ヴァイオリンってまあまあ弾けるようになるまで難しいと思うのですけど、普通の市民がこうやって楽しめるんですね。
つあお 想像ですが、多分このおじさんはあんまりヴァイオリンはうまくないんじゃないかなあ。
まいこ ひょっとして、弓の持ち方とかでわかるんですか?
つあお 何となく姿勢が硬直してるように見えるんですよ。
まいこ さすがプロ! パチパチパチ。
つあお いや、たわくしはただの日曜ヴァイオリニストです。汗 でも大して上手そうでもないおじさんが弾いていることも含めて、パリの空気感が表れているんだなぁと思って、改めてドアノーの写真に感心してしまいました。
まいこ パリの画家、アンリ・ルソーもヴァイオリンを弾いていたそうですね。
つあお ルソーも多分、ヴァイオリンはあんまり上手じゃなかったと想像しています。ルソーの絵は素朴派と言われますが、ヴァイオリンもやっぱり素朴派だった、みたいな。
まいこ うまくても下手でもおかまいなしに弾くし、人々もおかまいなしに楽しんじゃう。それがパリの雰囲気なのかな?
つあお たわくしはね、ヴァイオリンを弾くときには「愛」があって、それが聴いている人に伝わればいいと思っているんですよ。ルソーも、ドアノーが撮ったこのおじさんも、きっと「愛」を伝えようとしてヴァイオリンを弾いているに違いありません。
まいこ 素晴らしい! 愛の国フランス😁 ドアノーの写真には素敵なキスシーンもありましたね。
ロベール・ドアノー《オペラ座のキス》(1950年)展示風景
つあお この写真は、パリのオペラ座の前で撮ってるんだ!
まいこ 指揮者やオペラ歌手などクラシック音楽の演奏家や作曲家の写真も多くて、いいな~と思いました。
つあお ドアノー本人も、バイオリンをちょろっとだけ弾いたことがあるそうですね。
まいこ そうなのですか! 初耳です。実は私も子供の頃にちょっとだけ。笑! 気が合いそうです♪
つあお それにしてもこのチェリストの写真、すごくないですか。裸で弾いてますよ!
ロベール・ドアノー《裸のチェリスト》(1957年)展示風景
まいこ 本当! うける! アキラ100%みたいな芸人さん(全裸の姿で股間をお盆で隠して演じる「絶対見せないdeSHOW」のネタで有名)だったのでしょうか?
つあお 芸人の度合いはかなり高いように見受けられます。
まいこ どんな角度で弾いても絶対に見えないとかですかね 笑
つあお 左のほうに写ってる女性は、ちょっとあきれた顔をしてますけどね。
まいこ その左の男性は、結構楽しそうに見てますよ 笑
つあお そうした反応も、パリっていうことなんですかね。
まいこ 面白いですね。でも、このチェリストはモーリス・バケという方で、履歴をよく見るとパリ音楽院を首席で卒業したと書いてありますよ!
つあお そっ、そっ、それは、ひょっとしたらものすごいことかもしれません。パリ音楽院といえば、世界最高峰の音楽学校の一つです。
まいこ すごい! それでいてのこのキャラ! こころなしか、顔もMr.ビーンに似てます。
つあお この展覧会ではこのチェリストの写真がけっこうたくさんある。白鳥のいる池の上でサン=サーンスの曲を弾いているものもありました。チェロの名曲「白鳥」を弾いているということなのでしょう。それにしても、「白鳥」を本物の白鳥に聴かせるなんて。実はホントにMr.ビーンなのでは? なんてことはさすがにないか 笑
ロベール・ドアノー《サン=サーンスに捧ぐ》(1957年)展示風景
ロベール・ドアノー《水による波長調》(1957年)展示風景
まいこ こんなことしていいのって感じですよね。《水による波長調》なんか、本当にすごい。でもこの方が弾いたチェロの音はよかったんだろうな〜!
つあお ひょっとすると、お得意のコラージュ写真だったのかもしれませんが、このチェリスト、演奏したらめっちゃうまかったのは間違いありません!
まいこ しかも、この恍惚とした顔! 相当自分に酔って弾いてますよね。ただし、白鳥たちはかなりスルーしてる 笑
つあお 白鳥の態度がどうだったかは実際にはよく分かりませんが、このチェリストはドアノーとはすごく仲がよかったみたいですね。少なくとも撮影の現場では2人はノリノリだったんんだろうなと思います。
ロベール・ドアノーとモーリス・バケの交流を映した映像から
【今日のワンポイント】
ロベール・ドアノーがシャンソン歌手ジュリエット・グレコを撮った珠玉の2枚。グレコは「枯葉」や「パリの空の下」を歌ったことで知られるフランス・シャンソン界の女王だった。女優としても活動。2020年に亡くなった。 byつあお
【もうワンポイント】
あくびの犬くん🐶犬派のまいこが、犬くんのベストをピックアップ!
※掲載した写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影したものです。
【ラクガキストの部屋】
Gyoemon作《I love Paris!》
エッフェルさんもびっくり! パリに巨大黒猫現る! かくして街じゅうに音楽が満ち満ちたのでありました。Gyoemonはつあおの雅号。
※本作は「写真家ドアノー/音楽/パリ」展には出品されておりませんが、ご了承ください。
「写真家ドアノー/音楽/パリ」
(Bunkamuraザ・ミュージアム、2021年2月5日〜3月31日 ※会期中無休 開館時間等の詳細は、上記の同展公式ウェブサイトでご確認ください)
(美術館[えき]KYOTO、2021年10月23日〜12月22日)
パリを愛し、パリに愛された写真家の音楽をテーマにした約200点を紹介!(同展公式ウェブサイトより引用)
フランスの国民的写真家ロベール・ドアノーは、パリを舞台に多くの傑作を生みだし、世界で最も愛され続けている写真家のひとりです。本展は、パリの街角にあふれるシャンソンやジャズなど様々な音楽シーンを題材に1930年代から90年代にかけて撮影された、ドアノー独自の音楽的感覚に富んだ作品約200点で構成されます。2018年末から2019年春にかけて、フランス・パリ19区にある“フィルハーモニー・ド・パリ”内の音楽博物館で開催され大好評を博した展覧会を基に、日本向けに再構成した巡回展がやってきます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?