情熱的に不条理♪ ~ 舞台 ジャズ大名 ~
大好きな隆(藤井隆さん、愛しているので呼び捨て)が出演なので、迷わず抽選にポチリ。
お約束のハズレまくりで、お知らせが来る度に懲りずに挑みまくって、最後っぽい抽選にどうにか滑り込みゲッツ!
KAAT神奈川芸術劇場へルンルンと出掛けました。
これからネタバレを含む感想を書きます。
これから観劇予定の方は後日お読み頂けましたら幸いです!
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時は江戸末期。
アメリカ南北戦争が終結し、解放された奴隷の黒人4人が故郷のアフリカを目指します。
4人は全員男性で、2人は兄弟、後は従弟とおじさん。
奴隷解放のゴタゴタで慰問用の楽器を持ち出しています。
おじさんはクラリネットを得意とし、他の三人はトランペットやスネアドラム、トロンボーンを演奏します。
それ以外の楽器もちゃっかりくすねて大事に持っています。
とある大型船に乗船出来ることになりますが、相手の言っていることがわからないテキトーなおじさんが交渉したその船は「香港行き」。
乗り込んでしまってしばらくの後、アフリカには行かないと気付きます。
こりゃマズイっと、備え付けの小舟を失敬して4人はアフリカを目指します。
しかし過酷な航海となり途中でおじさんは力尽きてしまい、3人は泣く泣くおじさんを海へ水葬します。
荒ぶる海からどうにか辿り着いた陸地は鎖国している日本。
小田原藩が救出しますが、江戸にバレたら大変なことに・・
しかし明治維新のきな臭さがあり、アメリカと対峙する可能性があるため、亡き者にも出来ず。
そこで隣の海無しの大久保教義こと千葉雄大さんが藩主の小さな藩へ押し付けます。
千葉さんの藩はもちろん持て余しますが、大きな藩からの「預かりもの」を邪険にも出来ず、地下牢に3人を留置することにします。
すると、夜な夜な地下から謎の音が聞こえて来ます。
好奇心いっぱいの若い藩主の千葉さんは気になって仕方ありません。
しかし、異国人と藩主を会わせる訳には絶対に行かないため、家老・石出九郎左衛門こと隆は気が抜けません。
その頃の城下では農民が西から伝え聞いた「ええじゃないか」を思い思いに歌ったり踊ったりしています。
この行為は実は倒幕を目論む要素があり、そんなことを知らない農民はご陽気に「ええじゃないか」を楽しんでしまっています。
地下からの音が何なのかどうしても知りたい千葉さんは、こっそり地下牢へ降りて行きます。
幼馴染の門番に頼み込んで3人の黒人に対面します。
そこで謎の音が3人のコーラスによって奏でられていることを知ります。
そしてその「音」には体が勝手に動き出すような何かがあり、これは病なのでは無いか??っと非難の対象となります。
もちろん音楽は病ではありません。
楽しいものなのです!
そこで地下牢ではこっそり「楽団」が結成されます。
この時代は身分によって嗜んで良い芸能が分かれていましたが、千葉さんはこれを撤廃し、楽しみたい者は階級を問わず「一緒にやろうぜ♪」としました。
最初はカンカンに怒っていた隆も小鼓については師範な腕前。
疼く体は止められず、小鼓を打ち鳴らします。
黒人の3人が楽器を指南し、千葉さんはクラリネットを頑張ってモノにし始めます。
地下牢で農民も庶民も武士も藩主も元奴隷も、夜な夜なみんなでレッスンする日々が続き。
ある時、楽し過ぎてみんな止めることが出来ず、地下牢で狂乱のジャムセッションが夜通し続き・・
その間に小さな藩に怪しい影が忍び入り、建屋に火を放ち・・・
そして・・・
隆の「ホットホット!!!」を地で行くようなテンションの高い舞台。
藩主としては頼りなくても、みんなから「色々な意味」で親しみを持たれている千葉さんの無邪気さは、とてもキュートで好きになります。
生バンドの演奏者もジャムセッションでは演者さんに入り乱れ、ストーリーは筒井康隆さんの得意技の不条理に尽きると思いますが、とにかく大いに盛り上がります。
ラストはドリフのようなオチだったりします。
でも、このジャムセッションの時間が本当の平和な時間なんじゃないかと思いました。
国も人種も身分も年齢もみんな取っ払って、「これよ、これぇぇぇ♪」と、楽しんでひとつになれる。
ラストの20分(推定)。
全部の舞台が違って、それで良い。
同じ舞台が違って見える、それでいて楽しい。
一緒に体が動いちゃう時間にご参加は如何でしょう?(笑)