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第1回SDGs担い手育成講座(2024年度)

第1回SDGs担い手育成講座を開催しました。この講座の概要につきましては、以前記事を作りましたので、こちらをご覧ください。

・SDGs担い手育成講座概要

・トヨタ白川郷自然學校概要

第1回SDGs担い手育成講座のご報告

狙い

第1回:白川村の現場を見て、サスティナビリティを考える
SDGs担い手育成講座では、「現場体験(フィールドワーク)」を大事にしております。第1回では、数百年前から同じ風景を守り続け、サスティナビリティを体現してきた白川村 をまずしっかり見てもらいます。また、ゲストにNPO法人共存の森ネットワーク代表の澁澤寿一氏をお迎えし、SDGsを俯瞰的に捉える視点を提供します。

参加者

第1回講座には9都府県15大学から17名の学生が参加しました。世代も10代~20代で16名、1名60代(セカンドスクール学生)と様々です。また、北は秋田県から、南は奈良県まで様々な地域から多様性あふれる様々な想いを持った若者が集まりました。

スケジュール

【1 日目】
  PM 開会・オリエンテーション・世界遺産合掌集落散策
     ゲストトーク「里の暮らしを未来に活かす」 講師:澁澤寿一 氏
   夜 懇親会
【2 日目】
  AM 地元青年部と景観保全活動
     ゲストトーク「白川郷荻町集落の自然環境を守る会について」
  PM グループセッションⅠ
   夜 直会(地元青年部メンバーとの交流会)
【3 日目】
  AM ふりかえり
     グループセッションⅡ
  PM クロージング

活動の様子

①開会・オリエンテーション 
開会の挨拶では、山田学校長から「今回の講座の特徴は、この白川村での地に足の着いた取り組みを皆さんに感じていただくことです。私はそれを、”実感・納得・本音”という言葉で表しております。しっかり”実感”していただくということが何よりも大事だと思っております。今回は皆さんにいろんな体験を通じて、”実感”していただきたいと思っております。」と参加者へ挨拶がありました。

その後、全体ファシリテーターの黒坂より、スタッフ紹介や、今回の講座の目的の共有、3日間のスケジュール紹介がありました。また、副題への想いや第1回~第4回の各講座のテーマのつながりを共有しました。
さらに「この1年、数回ですが縁あって一緒に活動する皆さん同士がお互いの名前や人柄が少しでもわかる時間となれば。」ということで、4マス自己紹介を行いました。ここでは「①名前(ニックネーム)、②どこで何を学んでいるか、③今回の講座で期待していること、④今の素直な気持ち」をお互いに紹介しあいました。

開会・オリエンテーションの様子

②世界遺産合掌集落散策                                  オリエンテーションの後、「今回、皆さんは一人旅で白川郷に来られました。まずは其々の旅のスタイルで結構ですので、世界遺産荻町合掌集落を楽しんできてください。いってらっしゃい!」との声かけがありました。約1時間、地図を片手に各々で合掌集落を歩きました。再集合の後は約1時間、どんな風に過ごしていたか、そして、どんな感想を持ったか、印象に残ったことなどを共有しました。

③ゲストトーク「里の暮らしを未来に活かす」 講師:澁澤寿一 氏
山間地域の智恵と技の継承をテーマにするNPO法人共存の森ネットワーク代表の澁澤先生に「里の暮らしを未来へ活かす」と題して、SDG sについて俯瞰的な視点でお話しいただきました。日本の資本主義経済の歴史やエコロジカル・フットプリント、環境・社会・経済の調和実現の困難さなどを具体的にお話しいただき、便利な社会ではなく、豊かな社会をいかに実現すれば良いのか、難解の”問い”に参加者は頭を悩ませていました。

④懇親会
「皆さん、宿題の“長年、愛用しているもの”は持ってきていただけましたか?」この問いから始まった一風変わった懇親会。各自、実物を見せながら「長年、愛用している理由」も合わせて発表しあいました。ほんの少し、各々の人となりが垣間見え、自然と和気藹々とした雰囲気となりました。

⑤地元青年部と共に景観保全活動
2日目、地元の青年部の方々と協働で、景観保全活動を行いました。具体的には、青年部の方々が毎年この時期に作業している外来種除去作業(オオハンゴンソウ除去)を行い、共に汗をかきました。途中、雨が降ってきたりして大変でしたが、最後は達成感とともに笑顔の集合写真となりました。

⑥ゲストトーク「白川郷荻町集落の自然環境を守る会について」
休憩後、「白川郷荻町集落の自然環境を守る会」の元会長、和田正人氏に
お話していただき、景観を維持してきた人たちの想いに触れていただきました。参加者は話を聞いた後、少人数で感想や意見を共有し、白川村で暮らす人々への想いを深めておりました。

その後、荻町城跡展望台へ歩いて移動し、世界遺産荻町合掌集落をみんなで眺めました。さらに、そこを背景に集合写真を撮りました。

⑦グループセッションⅠ                                昼食後には少グループに分かれ、意見交換を行いました。「地元青年部の人々が活動している景観保全活動に実際に関わってみて、どんなことを感じましたか?」や「昨日の澁澤先生のお話を思い出してください。本日の景観保全活動や和田氏のお話、改めて眺めた白川郷の風景などのなかに、あなたが思うウェルビーイングが何かありましたか?なるべく具体的に書いてください。」です。ウェルビーイングとは、身体的・心理的・社会的にも良い状態、という概念を表しています。参加者からは様々な意見が飛び交っておりました。

⑧直会(地元青年部メンバーとの交流会)               夜は合掌家屋で、昼間一緒に景観保全活動をした地元青年部のメンバーと参加者の学生でざっくばらんにお話ししました。一緒に作業してみての感想共有から始まり、普段の1日の過ごし方や、それぞれ感じている楽しいことや大変なこと、また将来何を成し遂げたいか等、本当に様々な話題となっていました。最後はみんなで笑顔で集合写真を撮り、解散となりました。

⑨森のなかでふりかえり
最終日、3日間で感じたことや気づいたことを整理するため、一人一人、森の中で体験をふりかえる時間を過ごしました。参加者自身が居心地の良い場所を選び、自然の中に身を置いて、これまでの活動をふりかえっていただきました。

⑩合掌家屋で意見共有
3日間のふりかえりと共に、いくつか問いがありました。「今の白川郷は、ウェルビーイングな地域だと思いますか?」「過去300年の白川郷は、ウェルビーイングな地域だっと思いますか?」「日本中、世界中にある伝統的な町並みや暮らしは、世の中の人々のウェルビーイング向上に役立つのでしょうか?」などの問いがあり、悩みながらも真剣に考え、対話を重ねておりました。 

⑪クロージング                           最後は、3日間の感想を1人1人述べて、同じ時間、同じ活動を共にした仲間の想いを分かち合いました。

実施結果(主催者所見)

第1回目の講座の目標は達成できたと考えます。ゲストトークの澁澤先生のおかげで、参加者にSDG s担い手にとって必要な“視点”と“問い”を提供できたと感じました。また、白川郷荻町集落の自然環境を守る会の和田さんのお話や地元青年部の方々との景観保全活動と意見交換は、参加者にとって、白川村を肌で感じる貴重な機会となったと感じました。

参加者の声

対話での初めの一歩を踏み出すことができた。一面的ではなく、様々な
 角度から物事を考える癖をつけようと思った。」
「普段考えることのないことを考えて、様々な角度で考える大切さに気づけ
 ました!何より出会えてよかったし、楽しかったです!!
「地元青年部の方との景観保全活動は、達成感がすごく大きくて、すごく
 汗だくになったし、疲れたけど楽しかったです!」
想像をはるかに超える壮大さと美しさに圧倒されました」
全てが楽しく刺激的でかつ考えさせられる2泊3日でした。次回も楽しみです。ありがとうございました!」                          

参加者の皆さま、ご参加いただき、ありがとうございました。
参加者の皆さんが今後どのように変わっていくのか、楽しみです!





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