【GTNインタビュー】外国人が安心して働くためにできること
当社は、外国人支援事業を行う株式会社グローバルトラストネットワークス(以下、GTN)と業務提携し、介護分野の特定技能外国人の人材紹介を行っています。今回は、GTNにて外国人の就労支援に携わる大宮さん、茶谷さんにインタビューさせていただき、外国人が日本で安心して働くために必要なサポートやマインドセット等についてお伺いしました。
<お話を伺った人>
―まず初めにGTNさんの事業内容について教えてください。
(大宮)当社は、「外国人が日本に来てよかったをカタチに®」というミッションのもと、日本で暮らす外国人の生活環境の支援を行っています。創業から19年、一貫して外国人に特化した事業を展開しています。その事業内容は、就職・定着支援や家賃保証、不動産仲介、モバイル・インターネットサービスetc…と多岐にわたり、現在まで累計50万人以上の外国人を24言語でサポートしています。当社には、約400名の従業員が在籍していますが、そのうち70%以上が外国人です。
―とてもグローバルな環境ですね!GTNさんと当社は、特定技能外国人の紹介で協業していますが、介護職として就労意欲を持つ外国人は、どのような特徴があるのでしょうか?
(茶谷)特定技能※の対象領域は、介護、建設業、外食業、宿泊業、農業、漁業など様々ありますが、そのうち介護を選ぶ方は、祖父母と同居していたり、お世話した経験があるなど、高齢者と接する機会が身近にあった方が多いです。また、人に喜んでもらうことや、何かしてあげることにやりがいを感じる方が多いというのも特徴です。
※特定技能;国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする在留資格。介護、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野、建設業、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の12分野が対象。
―介護職は、ミャンマー人から人気が高いそうですが、その背景には何があるのでしょうか?
(茶谷)ミャンマー人は9割が仏教徒で、年上を敬う思想を持つ方が多いです。仏教の教えから、徳を積むという考えのもと、人のために行動する習慣があり、介護職との親和性が高いのかもしれません。国民性としても、協調性が高く日本人と気質が似ていますので、働きやすいのではないでしょうか。
(大宮)ミャンマーは国内情勢が不安定ということもあり、海外で働きたい意欲を持つ方が多いです。その中でも、歴史的背景や治安の良さ等から、日本への憧れが強く、働き先として日本人気は高いです。
―昨今の円安傾向の中、外国人の採用において他国との競争は激化していませんか?
(大宮)海外で働くということを考えた場合、日本以外にも働き先の国として様々な選択肢があります。他国と比較し、日本に来るための工程には時間もお金もかかりますが、安全であり、円安傾向とはいえ給与が現地の10倍ほどになるケースもあるため、魅力を感じる人がまだまだ多く、増加傾向が続いています。また、勤務するためにはその国の語学習得が不可欠ですが、日本語の習得は他言語と比較するとミャンマー語と文法構造が似ていることから、ミャンマー人のアドバンテージになっています。逆に、英語を公用語とするフィリピン人は、英語が通用する国を選ぶケースが少なくないです。
―「日本語の壁」という言葉をよく聞きますが、外国人が日本で働くにあたり、言葉は大きな不安材料になりそうです。
(茶谷)そうですね。言葉が通じないことや、日本の習慣に馴染めるのか、まわりのメンバーと上手く付き合えるのか、といった点も不安に感じています。
―そのような中、GTNさんではどのようなサポートをされているのでしょうか?
(茶谷)来日前と来日後のギャップを減らすために、丁寧なコミュニケーションを行うようにしています。例えば、事前に働く会社の立地環境や職場の雰囲気を具体的に伝えるようにしますし、労働条件の認識齟齬は離職リスクに繋がりますので、特に時間をかけて説明しています。来日前からきめ細やかなサポートをすることで、少しでも不安を取り除いてあげたいと思っています。
(大宮)住環境の支援も重要です。日本では外国人が住居を借りるハードルが高く、8割くらいが賃貸借契約を断られてしまいます。日本で仕事が決まったにも関わらず、家が借りられないとなると、ご本人も、採用する企業側も困ります。当社では入国前からお部屋の斡旋を支援し、家賃保証も行っています。この他にも、入居時の電気・ガス・水道等の開設や、ゴミ出しルールの説明等、快適に暮らせるよう、様々なサポートをしています。
―安心して生活できる環境が整っていると、仕事にも集中できそうです。GTNさんでは、ご紹介した外国人材の半年以内の離職率が0%と伺っていますが、その他にも取り組まれていることはありますか?
(茶谷)離職する時は、周りに相談せずに自分で決断してしまうケースが多いようです。日頃の小さな不満が溜まりに溜まって、ある日爆発してしまうのだと思います。日本での生活は外国人にとって不慣れなことばかりですから、ストレスや不満に感じていることを吐き出してもらえるように、特定技能人材に対して、入職後1年間、月1回の面談を実施しています。小さな疑問に対しても早い段階から話を聞き、内容によっては、勤務先に連絡することでフォローしています。
―日本の介護業界で外国人が活躍するために、受け入れ側として、どのような配慮やサポートがあると、より働きやすくなると思いますか?
(茶谷)まずは、新しい環境に馴染めるよう、優しく声をかけるなど、気にかけてあげることが大事かと思います。職場で受け入れられているという実感を持つことが、心理的安全性の確保に繋がります。また、日本語で会話する際には、はっきりと端的に、簡易な言葉で伝えてあげる等の配慮があるとよいです。
(大宮)一人で来日した外国人の場合は、特に孤独を感じやすいので、介護事業所には外国人を採用する際に複数人での雇用をお勧めしています。異国で言語が不自由な環境の中で、分かり合える人がいると心の支えにもなります。それが、人材の定着にも繋がります。
―日本の介護業界の発展に向けて、外国人を提供する価値は何だと思いますか?
(茶谷)職場の活性化でしょうか。20代の若い世代が多く、ある介護施設では、ご利用者さんが外国人スタッフをお孫さんのように可愛がられていました。出身地をテーマに会話が生まれたり、レクレーションを企画したりと、異文化交流にも繋がっているようです。
(大宮)日本の介護業界は人手不足への対応が不可欠で、外国人材は、こうした社会課題の一助になると思います。介護の現場はDXが進んでいますが、介護サービスの根幹は、人と人、心と心によるサービスだったりします。日本で介護職として働く意欲を持つ外国人材をマッチングさせていただくことで、当社のミッションである「日本の力になる人の力になる」を実現していきたいです。
<GTNさんのミッションにかける想いが詰まった動画はこちら>
「日本の力になる人の、力になりたい。」
―最後になりますが、今回の提携によるトライトへの期待を教えてください。
(大宮)トライトさんは介護分野の人材サービスにおける先駆者です。私たちは、自信を持って外国人支援サービスを展開していますし、ミャンマーには、日本で働きたいと希望する人材が5,000人程います。今回の提携を通じて、多くの介護事業所さんとの出会いが拡がり、人手不足の解決に貢献できることを期待しています。
■株式会社グローバルトラストネットワークス
株式会社グローバルトラストネットワークスは、「外国人が日本に来てよかったをカタチに🄬」をビジョンに、創業から一貫して外国人専門を掲げ、住環境の整備をはじめとする生活総合支援を行っています。家賃債務保証事業・不動産仲介・就職支援・定着支援・携帯電話・クレジットカードなど多種多様な独自サービスを展開し、社員の7割が20ヵ国の外国籍メンバーで構成され、言語・文化の違いを理解したうえで様々な事案に対応しています。家賃債務保証事業においては、賃貸住宅の情報提供から家賃債務保証、入居後の生活サポートにいたるまで、日本での生活を始める外国人の方を全般的に支援するサービスを提供しています。
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