平安時代の学習を深めていきます。
本日の学習は、
①桓武天皇が平安京への遷都と蝦夷・隼人の征討を行ったのは事情があった。
光仁天皇(49代目)の第1皇子ではあったが桓武は正妻の子ではなく母親は渡来人の子孫(=百済の武寧王(25代目))であった。
②それゆえすぐに皇太子にはなれず45歳まで天皇になれなかった。天智系の天皇として正統性をアピールが必要があった。ゆえに平安京の拡充と朝廷支配域を拡大する事に力を入れた。
③この当時の日本は天皇頂点とした政治制度となっていた。そのベースは701年(大宝元年)に制定された大宝律令である。唐の律は刑法、令は行政の法を参照としている。
④令には中央と地方の官制が定められた。中央の最高機関である太政官に太政大臣、左大臣や右大臣、大納言(内大臣・中納言・参議)などの官職があった。高位の官職の者だけが大極殿に集まり国政にまつわる議題を評議して国家は運営された。
⑤これが朝議であり天皇と大臣らから構成される中央政府を朝廷という。
朝廷を構成する8000人から9000人いた官吏の身分は律令制をベースとした官職と出自による位階の2つを合わせた官位で示される。
⑥位階は正一位から少初位したまで30階があり勤務状況や態度職務遂行などで昇進が決定された。五位以上になると家族ともども貴族となる。三位以上の上級貴族は貴となり四くらいと五位の中級・下級貴族は通貴とされた。
⑦150人未満しかいなかった貴族のなかで区別された。
六位以下は下級官人であり貴族ではない。官人になるためには都の教育機関である大学や地方教育機関である国学で学び課試と呼ばれる登用試験に合格する必要があった。
⑧合格してもほとんどは下級官人のままであった。父祖が上級官人だった場合には子や孫には官人になった直後から一定以上の官位が与えられるとう蔭位の制と呼ばれる優遇制度があった。
⑨公(太政大臣・左大臣・右大臣)と卿(大納言・中納言・参議・三位以上の貴族)は公卿と総称される。古代中国の高位高官を意味する言葉である。
中世以降の武家と対応して使われるようになった。それ以前は公卿と公家は同じ意味であった。
⑩桓武天皇の大半の在位期間には太政大臣や左大臣を置かなかった。武人であった坂上田村麻呂や官人であった菅野真道を重用し血筋ではなく個々人の能力を重視した。
■参考文献 『1冊でわかる平安時代』 大石学 河出書房新社
