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【歴史21】スイス史備忘録39(近代スイス文化人・第1次世界大戦・中立国スイス・三国協商・中央同盟・ヴィレ将軍・ロシア革命)

スイス史の学習内容を深めていきます。

①19世紀のスイスでは文化が大きく成長した。

チューリヒの作家ゴットフリートケラーはスイスのドイツ語圏を代表する文学者である。長編小説『緑のハインリヒ』により「スイスのゲーテ」と呼ばれた。

②チューリヒのヨハンナ・シュプリは『ハイジ』の原作者である。

アルプスの自然に囲まれた山村に暮らす人々を舞台とした文学作品である。

③ベルンのアルベルト・アンカーは「干し草のなかで眠る少年」などスイスの国民画家と呼ばれた。

ジョヴァンニ・セガンティーニもアルプスの風景を描いていた。「アルプスの真昼」などの名作を残している。

④バーゼルの歴史学者のヤーコプ・ブルクハルトは『イタリア・ルネサンスの文化』のなかで個人の解放を強調した。

ブルクハルトは古いスイスの自治都市の伝統を重んじる保守主義者であった。

⑤ジュネーヴ出身の言語学者フェルディナンドソシュールによれば言葉を用いてこの世界を明確に区分してとらえて複雑な文明社会を築いたとされた。ソシュールの言語学はその後の学問に大きな影響を及ぼした。

⑥19世紀後半の世界はイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシアなどの列強が領土の拡大と植民地の獲得を競う帝国主義の時代に入っていた。20世紀になるとイギリスはフランスとロシアと三国協商をつくり対外的進出を続けた。

⑦ドイツはバルカン半島でロシアと対立するオーストリアハンガリー帝国とオスマン帝国と接近した。

これらの国々が中央同盟である。

⑧1914年6月にバルカン半島の都市であるサラエボでセルビア人の若者がオーストリアハンガリー帝国の皇太子夫妻を殺害する事件が起きた。

⑨オーストリア側が報復のためにセルビアに宣戦布告するとセルビアをサポートするロシアとオーストリアをサポートするドイツが参戦する連鎖反応が生じた。

こうして第1次世界大戦が勃発した。

⑩スイスは中立国なので英仏側である協商国(連合国)にもドイツ側(中央同盟)にも味方していなかった。1914年8月にスイスでは連邦内閣が国境を守るために2万人の兵士に動員をかけた。議会はチューリヒのウルリヒ・ヴィレ将軍を最高司令官に選んだ。

⑪ヴィレ将軍はドイツのヴィルヘルム2世と交流のある親ドイツ派だったのでフランス語圏の住民から反発を受けた。連邦政府や軍の内部には中央同盟に同調する有力者もいた。

⑫スイスの産業界は中立の立場を利用して協商国(連合国)と中央同盟の両方に農産物や工業製品を輸出して大きな利益を得た。交戦中の諸国からの輸入は減りスイス国内では燃料、衣料、食料などの分野でインフレが生じた。デモやストライキが増えていった。

⑬世界大戦は長期化して爆撃機、戦車、毒ガス、潜水艦といった新兵器が投入されて死傷者が激増してヨーロッパの諸国民に甚大な被害をもたらした。1917年3月(ユリウス暦では2月)に二月革命が起こり帝政が崩壊して臨時政府が成立した。

⑭スイスでは社会民主党が連邦政府の政策を批判していた。スイスにはロシアの革命家レーニンが滞在しており社会民主党のリーダーたちに影響を与えていた。

⑮帰国後にレーニンは労働者による政権に奪取を唱えるボリシェビキを率いて十月革命を起こして臨時政府を打倒した。

共産主義のソヴィエト政権を樹立した。ロシア革命の影響でスイスをいれた各国で激しい反政府運動が生じた。

1918年11月にドイツで水兵の反乱をきっかけに革命が起きて皇帝は退位して共和国となった。

■参考文献 『1冊でわかるスイス史』踊 共二 河出書房新社

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