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【歴史20】カナダ史備忘録46(ベビーボーナス・老齢所得保障法・メディケア・トミーダグラス)

カナダ史の学習内容を深めていきます。

①1950年代から1960年代のカナダは経済発展をした。

国民生活は向上した。軍需工場は民間用の車両や日用品などの生産工場となり帰国した兵士は労働者として復帰した。失業率は約2から3%であった。

②1947年にアルバータ州で油田が発見された。

石油は国内で消費されるだけでなく輸出もされ外資を獲得する収入源となった。1950年代以降は電気製品や自動車、石油製品ほかの工業が発達した。

③移民の受け入れも拡大した。

戦災によって住宅や産業基盤が壊されたヨーロッパ諸国から1952年までに約17万人がカナダに流入した。日本や中国などアジア系移民は戦後も入国制限されていた。

④戦時中のカナダは国家統制のもとで国民生活を安定させるために乳児のいる世帯に手当であるベビーボーナスの支給を開始した。この制度は戦後も継続された。

⑤1951年には老齢所得保障法ができた。カナダで居住年数をはじめ一定の条件を満たしている70歳以上の国民全員に対して定額年金が支給される老齢所得補償制度が導入された。

⑥同時に65歳から70歳未満の貧困者にも年金を支給する老齢者扶助制度が定められた。

1966年には連邦政府と各州政府による報酬比例年金制度が開始された。いわば基礎年金や厚生年金に該当する。

⑦メディケアは1966年に生まれた。患者は一切の医療費を支払う必要がなく全額を連邦政府と州政府が負担している。

⑧この制度は公的医療保険制度の父と云われるトミーダグラスの政策がもとになっている。

⑨スコットランド移民のダグラスは協同連邦党(新民主党)から連邦議員を経て1944年にサスカチュワン州の首相となった。北米初の社会主義政権であった。1961年に新民主党の党首として連邦政界に復帰するまでの17年間の間に医療制度改革を推進した。

⑩サスカチュワン州の医療制度をベースとして連邦と各州のメディケアが整備されていった。医療費は増加傾向にあり財源をめぐって連邦政府と州政府が対立する事がある。

■参考文献 『1冊でわかるカナダ史』細川 道久 河出書房新社

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