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【歴史21】スイス史備忘録27(ダーヴェル・傭兵制度・スイス文化人・ベルヌーイ一族・オイラー・ハラー・ソシュール・ルソー)

スイス史の学習内容を深めていきます。

①18世紀以降のスイスでは商工業が発達したチューリヒやベルンといったプロテスタント地域が主導権を握るようになった。

②ベルンの支配下であったヴォー地方では1723年に軍人のダーヴェル少佐がローザンヌで蜂起を呼びかけたが失敗した。ダーヴェルは逮捕され処刑された。後にヴォーの英雄として評価された。

③チューリヒ以外の12邦がフランスと結びついていた傭兵契約同盟は1723年に期限切れとなり改革派諸邦の抵抗で更新されなかった。カトリック地域はフランスと個別協定を結び、プロテスタント地域はイギリスやオランダと個別に契約をしていた。

④1740年に始まったオーストリア継承戦争ではスイスの傭兵が動員された。1748年にオーストリア継承戦争が終結した際には7万5千人のスイス傭兵が各国で活動していた。各国の軍隊でスイス人傭兵の重要性は低下していった。

⑤17世紀後半以降にはプロテスタントを信奉するイギリス、オランダ、プロイセンなどの文化的な交流が進んだ。

今のスイス、フランス、ドイツが接するバーゼルには多くの科学者や文学者が集まった。

⑥バーゼルのベルヌーイ一族は多くの優れた数学者を輩出した。

微分積分の研究をしたヨハン・ベルヌーイやベルヌーイの定理を発見して流体力学を確立したダニエル・ベルヌーイが有名である。

⑦数学者のレオンハルト・オイラーは数学・物理学の研究で多くの論文を残した。バーゼル大学卒業後にはロシアのサンクト・ペテルブルク科学アカデミーやプロイセンのベルリン科学アカデミーに招聘された。

⑧ベルン出身の解剖学者・植物学者のアルブレヒト・フォン・ハラーはゲッティンゲン大学に招かれて教授を務めた。

人体構造や筋肉の動きを解明した。ハラーは長編詩『アルプス』(1729年)も有名である。

⑨フランス語圏ではジュネーヴ出身の地質学者オーラス・ド・ソシュールが地質学的な高山研究を行い、18世紀末に全4巻の『アルプス旅行記』を刊行した。

⑩18世紀中期のヨーロッパでは伝統的道徳観や身分制度ではなく人間の理性と自由意志を重んじる啓蒙主義が普及した。

⑪ジュネーヴ出身のジャン・ジャック・ルソーが有名である。1755年に文明発達による格差の拡大を批判する『人間不平等起源論』を刊行し1762年には自由・平等を実現した国家・社会の在り方を説く『社会契約論』を発表した。

⑫フランスで出版されたがルソーは体制を脅かす思想家とみなされた。ヨーロッパでは多くの人々に影響を与えた。ルソー作品にはアルプスの自然の美しさを描いたものもあったためヨーロッパ中でスイス観光のブームの要因ともなった。

■参考文献 『1冊でわかるスイス史』踊 共二 河出書房新社

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