【歴史22】ベトナム史備忘録22(禄田・順城鎮・嘉定府・交易時代終焉)
ベトナム史の学習内容を深めていきます。
①17世紀の経済発展によって北部各地で中央のいうことを聞かない地方官が出てきて昇竜王府が地方をコントロールできなくなってきていた。
②各地で新しい豪族たちが生まれて地方政治に口を出して税金を徴収するようになった。鄭氏は村落の力を利用したと考えた。
③王府の官僚の給与を支払うために割り当てられた碌田(ロクディエン)を村落が管理するという公田制度がとられた。戦いや飢饉が起こるたびに人口が増えすぎた北部住民が南方に移住したので中部でキン人の住民割合が増えていった。
④阮氏は1693年にチャム人の居住地域に順城(トゥアンタイン)鎮を置いて間接統治をはじめた。
チャンパが完全に阮氏の属国となった。阮氏は今のサイゴン周辺までに進出して嘉定(ザーティン)府を置く。
⑤17世紀後半には世界的銀生産量の減少や気候寒冷化などによって交易は下火になった。鄭氏や阮氏にとって貿易相手であった日本が銀輸出を制限して貿易量が激減した。
⑥交易に依存してきた鄭氏と阮氏は戦争を続ける余裕がなくなった。国境地帯の莫氏を討伐した鄭氏は1672年に阮氏領土に侵攻したが失敗した。こうして休戦状態になった。
⑦日本向け商品を買いつけるためにベトナムに来ていたオランダ東インド会社は1700年に昇竜の商館を閉鎖して撤退した。ベトナムの交易時代が終わりを迎えた。
■参考文献 『1冊でわかるベトナム史』岡田 雅志 河出書房新社
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