見出し画像

合奏時のイスの並べる順番

昨日、譜面台の位置についてこのブログに書きました。奏者と譜面台の距離をできるだけ取ること、楽譜の上に指揮者がいるように設置すること、音を会場に届かせることと、譜面台を右斜めに置くことは関係がないことなど、いろいろ書きましたのでぜひご覧ください。

譜面台のことを書いたので、イスの並べ方についても書いておこうと思います。

前から並べていることが多い印象

合奏配置にするためにイスを並べている時、前列から配置していることが多い印象があります。指揮台を置いて、その周辺からだんだん奥へ並べる流れ。
広い空間ならまだしも、限られた空間でこの並び方をすると大概後列が影響を受けて狭くなります。

昨日の譜面台の記事で書いたように譜面台は正面に、楽譜をめくる時に腕をピーンの伸ばして若干前屈みになるくらいの距離に置くようにするのが良いです。しかし、狭い空間で前列から並べるとその距離を確保することができません。
トランペットとトロンボーンの前が狭い状況というのは大変にパフォーマンスを低下させてしまいます。具体的には、ピッチが合わない、トランペット本来のサウンドを届けることができない(共鳴の問題)、音をはずす確率が高くなる(空間に合わせて萎縮した姿勢で演奏してしまうため)、指揮者を視界にいれられなくなるので重要な指示を見逃しやすくなる、結果的にアンサンブルが成立しない、ということにつながります。

したがって、イスは後列から並べることをおすすめします。

また、広い空間であってもやはり同じように後列から並べます。後ろが余っていて、前が狭い空間というのはも合奏するにはあまり適していません。本番は前に客席があって後ろが壁になっているわけですから、できるだけその状況に近づけたいものです。また、音楽ホールの背後はただの壁ではなく反響板の一部です。ここに共鳴した音がぶつかり、客席まで空気を振動させています。特にホルンはどこに座るか、ベルの向く方向とその距離によって聴こえ方が大きく変化するので、後ろの空間がとても広い状況で合奏をして、「ホルン聴こえない」とか「ホルンタイミングが遅い」と指揮者や指導者が言うのはちょっと違うのではないかと思います。もちろん横にも天井にも反響板があるのですが。

吹奏楽コンクール前に体育館練習をしているところも多いと思うのですが、練習する空間に合わせて極力奏者全員がパフォーマンスを発揮できるように気を遣って配置するよう心がけてください。

荻原明(おぎわらあきら)

いいなと思ったら応援しよう!

荻原明(おぎわらあきら):トランペット
荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。