時間がない人のトランペットの有効な練習方法
社会人になったら学生時代の部活みたいには練習できないから、「楽器の練習とは長時間毎日続けることが必要」という考えをまずなくしましょう、というお話で先日記事を書きました。
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ただ、そんな社会人の方も、吹奏楽団や管弦楽団に所属していると、毎週のように合奏練習があったり、定期的に本番があったりと、半ば強制的に練習をしなければならない環境下に置かれる場合も少なくありません。
仕事や勉強、家事育児などに追われ、練習時間を確保することが難しくジレンマを感じる方も多いと思います。そこで、練習時間はできる限り効率的に短時間集中でこなしていきたいものです。そのために大切なのが
休憩時間の使い方
です。
休憩時間には2種類ある
休憩時間には、心身ともに休むための長時間休憩と、体力回復のために音を出すことを中断する短時間休憩の2種類があります。
1日の練習が長めに取れるのであれば、例えば50分練習して10分休憩のサイクルをキープするなどが良いと思います。その10分は集中力を取り戻すためにコーヒータイムにするなど、楽器や音楽から一旦離れるのが良いでしょう。
そして重要なのがもう一つのこまめな短時間休憩です。トランペットは数分間であっても連続で吹き続けることが困難で、度を超すとすぐにバテて正常な状態で演奏できなくなります。その状態になる手前で楽器を口から離す習慣を持ちたいものです。なので、何度も何度も休憩を取らずに(ブレスすらもほとんど取らずに)同じところを繰り返す根性練習はトランペットにとって最も避けるべき練習です。
かと言って、1フレーズ吹いたら口を離して数十秒ボケーっとしているのは少々効率が悪いですので、このような提案をします。
できない箇所や苦手な箇所を克服するためには楽器を吹く以外の方法も取り入れる。
楽器から音を出さなくてもできる練習は沢山あります。例えば指がうまく動かないのであれば楽器を構えて指の練習だけすれば良いわけですし、楽譜を再度じっくり読み、冷静にリズムや音程を確認するだけでも克服できることは大変多いです。
ですので、例えば苦手な箇所をゆっくりとピアノで弾いて、ドレミなどで声に出して歌ってみたり、メトロノームを鳴らしてリズムを変えてみるなど工夫をして指だけ練習したり、そうした楽器を吹かない練習をこまめに取り入れることで体力の消耗をゆるやかにすることができます。
小休憩時間の他の使い方
問題箇所を克服するための楽器を吹かないでできるいくつかの方法だけでなく、他にも楽典の勉強をしたり、スコアの一部分をじっくり目を通してみたり、ピアノで和音を確認したり、音階を声で歌ってみたり、基礎的なことも含め、取り組める内容はとてもたくさんあります。
楽器が吹ける環境での取り組みなので、できれば音や声を出した練習が最も望ましいと思います。スコアリーディングや音楽鑑賞、楽典の勉強は防音室でなくてもできますので。
ということで、休憩時間についてのお話でした。特に体力回復だけを目的とした小休憩時の時間の使い方を有効利用できると、得るものが増えてオススメです。実践してみてください。
荻原明(おぎわらあきら)