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バスの降車ボタンとアンサンブルの話

高校生の時、バス通学でした。ターミナル駅から出発する高校へ向かうバスは登校時間になると当然ですが高校生で鮨詰め状態。そしてこれもまた当然ですが降りる停留所もみんな同じ。

「次は〇〇高校入口、〇〇高校入口〜」

全員の降りる停留所のアナウンスが流れます。しかし、

誰も「次降ります」ボタンを押さない。そして颯爽と停留所通過。

運転手さんも含め、車内にいた全員が「えっ?!」と心の中で叫んだに違いありません。僕もそうでしたし。

これ、結局「(自分がやらなくても)誰かがやるだろう」精神の究極形態ですよね。バスだから通過するだけでまだ良かったかもしれませんが、このブログは音楽関連の話が多いので今回もその流れに強引に持って行きますが、合奏とかアンサンブルなんかでこの精神が発動してしまうのは良い方向へは行きません。

どうであれ、まず必ず自分の主張をしっかりすることがまず大切。誰かがやってくれるだろうとか自分には関係ないことだ、みたいな姿勢は音楽との相性が悪いのです。

例えば合奏で「合わせる」という言葉を「他の人に同意する」「他の人の動向を伺ってから自分の行動を決める」のような気持ちでいたら永遠にタイミングは合いません。相手の様子を伺うことは大切ですが、自分の意思がそこにないのはNGなのです。

吹奏楽などで自分から率先して音楽を作っていくのは怖く感じる時もあると思うのですが、一歩前に出て「自分はこういう音楽をしたい!」「自分の音を届けたい」と思って積極的な姿勢を出していく、そんな集団のほうが音楽は絶対に面白くなります。
みんなが主張しつつ、しかしみんながみんなを尊重し、聴き合い、受け入れていくことでアンサンブルは成立します。

私生活の全てで「自分が自分が!」と主張するのは多分疲れてしまいますが、音楽においてはぜひ怖がらず積極的に一歩前に出て演奏してほしいと思います。それができると合奏がもっと楽しくなると思います。


荻原明(おぎわらあきら)


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荻原明(おぎわらあきら):トランペット
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