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【障害者雇用】僕が考える、ASD当事者を職場で上手に働かせるための3つのコツ

こんにちは。

私ごとながら、私の障害者雇用としての就労期間が満9年を迎えるため、この機会に障害者雇用に関する記事を少しだけ書いてみようと思いました。誠に拙作ではありますが、ぜひ最後までお読み頂けますと幸いです。

なお、これはあくまで僕の経験則から書くものであり、必ずしも全てのケースに当てはまるとは限らないということを予めお断り申し上げます。

1. 口を出し過ぎないこと

さて、さっそく本題に入りますが、ASDの当事者である従業員には、仕事に関する基礎知識などを教えたら、あとは定型発達者側の人が必要以上に口を出さないのが良いと考えます。

なぜなら、定型発達者がASDの当事者に対し、定型発達者の価値観で口を出せば出すほど、ASDを持つ障害者雇用の当事者の頭の中は混乱し、上手く行かなくなるからです。

ASDの障害特性は、突き詰めていくと、定型発達者と比べ、マルチタスクをこなすこと(複数・複雑な情報を短期間で同時並行的に頭の中で処理すること = ワーキングメモリの障害)が難しいという点に行き着くからです。逆に言えば、マルチタスクでないものならば、基本的に対応ができるはずです。

従って多くの場合、仕事に関する基礎知識などの教育ができれば、時間をかけつつも、あらゆるタスクをシングル化させ、自身で仕事の段取りや優先順位などを考え、組み立てることにより、仕事をこなすことが可能であると僕は思います

その証拠に、ASD当事者の中には、動作性IQが低い反面、言語性IQ、さらには全検査IQが定型発達者よりも高い人も多いと言われています。ちなみに僕もその中のひとりです。

仕事に関する基礎知識を教えたら、あとは必要以外に口を出さず、ある程度本人の判断に任せ、自身のペースで仕事をこなすようにすると良いでしょう。

もちろん危険性があったり、組織やステークホルダーに対して重大な損害を与える恐れがあるなどといった、危機迫った問題が生じる可能性がある場合はこの限りではありませんが。

2. ゴールに至るまでのプロセスの取り方が違うだけ

定型発達者であってもASD当事者であっても、会社や学校といった組織全体としての目指すべきミッション(ゴール)は同じであるはずです。

定型発達者とASD当事者で異なるのは、単にミッション(ゴール)に至るまでのプロセスのみです。

定型発達者には定型発達者なりのプロセスの取り方がありますし、ASDの当事者には当事者なりのプロセスの取り方があります

ASDの当事者が、定型発達者と異なる作業プロセスを取るからといって、それを一方的に止めてはいけません

最近は多様性、ダイバーシティなどという言葉をよく耳にしますが、作業プロセスの取り方にも多様性があって良いはずです。

定型発達者とASD当事者の双方が得意とするプロセスの違いさえ理解すれば、定型発達者である上司が、定型発達者の価値基準をASD当事者に対して"押し付ける"ようなことは起きないはずです。

3. お互いが適度な距離を保つこと

よく、学校の教師が学校で
「クラス全員と仲良くしましょう」
などと言ったりすることがありますが、それは現実を直視していない、単なる「お花畑」の机上の空論でしかないと僕は思います。

実際には、双方が完全に相互理解を出来ない以上、マジョリティである定型発達者と、マイノリティであるASDの当事者は、お互いに適度に距離を保つ方が双方のためになるのではないかと僕は思います。

なぜならば、いくら発達障害の認知度が世間的に高まったとしても、実際に自身が発達障害を持ってみないことには、定型発達者が完全かつ正確に定型発達者が発達障害に関することを理解するのは難しいからです。当然、その逆も然りでしょう。

お互いに適度な距離を取らずにいると、やがてお互いの理解不足や価値観の違いにより、不毛な誤解や偏見、差別や対立が生じる恐れがあると僕は思います。これはASDに限らず、他の障害でも、セクシュアリティでも、民族でも同じです。マジョリティとマイノリティという関係下ではおおよそ起こりうることだと思います。

4. 最後に

さて、ここまで書いてきましたが、これらはあくまで僕の経験則から書いたものであり、必ずしも全てのケースに当てはまるとは限らないということは重ねてお断り申し上げます。

そしてASD当事者はもちろん、どんなマジョリティであろうがマイノリティであろうが、それぞれの相互理解が完全とはいかないまでもより深まり、それにより"Win-Winの関係"となることを願っております。

最後になりますが、この記事に対する反応がよければ、今後もたまに障害やセクシュアリティなどに関する記事を書かせて頂きたく思っております。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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