スターウォーズの今後を考える オマージュ・マーケティング・ジブリパーク
最新作「スカイウォーカーの夜明け」が公開されました。42年ものサーガを締め括る作品として注目されています。加えて、アニメシリーズや連続ドラマの制作発表がつづいており、コンテンツとしてのスターウォーズはまだまだ盛り上がっていくでしょう。
そんなスターウォーズですが、ディズニーによる製作体制となった後のコンテンツ展開にぼくが注目している理由を、以下のレベル・軸で考えていきます。
▼シークエル・トリロジー(続三部作。エピソード7~9)での描写▼
▼ディズニーの囲い込み戦略▼
▼スターウォーズコンテンツの強み▼
以下は作品の中身の評価ではなく、スターウォーズコンテンツやビジネスに関する考察になります。興味のある方はこのままページスクロールをお願いします。
前提 - 歴史と規模
第1作の公開は1977年。2019年の最新作公開まで42年もの間つづいているシリーズで、映画だけでなく小説やゲーム、ドラマでの展開もされています。映画の評価の指標の一つである興行収入については以下の実績があります。
世界で最も興行的成功を収めた映画シリーズ、シェアード・ユニバースの一つであり、『マーベル・シネマティック・ユニバース』に次ぐ世界歴代2位の興行収入を記録している。
このような巨大コンテンツであるスターウォーズですが、2012年に製作体制が以下のように変わりました(映画本編でいうとエピソード7から)。
2012年にウォルト・ディズニー・カンパニーがルーカスフィルムを買収してスター・ウォーズシリーズの著作権を取得、配給会社も20世紀フォックスからウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズに変更され、新体制での再スタートとなった。
このような巨大で歴史のあるシリーズを時価総額2,487億ドル(2020年1月31日現在)のディズニーが保有することによるコンテンツ展開への影響を推理します。
⒈セルフオマージュの描写から
ディズニースターウォーズの第1作となった「フォースの覚醒」を観たあとの最初の印象は、「セルフオマージュが多い」でした。つまり過去作品の描写の引用が多く見受けられたということですが、ファンの感想にも「既視感がある」的な内容のものは少なくありません。新しい物語の始まりを感じるよりも、これまでのスターウォーズにまつわる記憶を喚起させるようなセリフや映像、設定が盛り込まれており、その情報量に驚きました。そしてこの印象は、エピソード9まで通して観ても変わりませんでした。
作中にどのようなオマージュがあるかは以下のサイトにほぼ網羅されてますので、ファンの方は答え合わせ的にチェックしてみてください。
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ぼくはこれを読んで、改めてオマージュが多さに瞠目しました。
では、なぜオマージュが多用されるのか。新規客が観ても充分楽しめる脚本なんです。でもなぜ?という疑問を掘り下げていくと、スターウォーズコンテンツを盤石にさせ、ビジネスを成功させるための道筋が見えてきました。
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