入社前研修について考える
入社前研修
本日、新卒採用を行っている企業のほとんどで、入社式が行われました。
現在では、同じく入社する者が、入社式で初めて顔を合わせるとなるといったことはほとんどないでしょう。
事前に内定者に入社前研修をする企業がほとんどだと思います。
理由は、内定者の囲い込みや会社への理解、入社に対する不安を払拭するためなどがあります。こういった目的を達成するために大事な入社前研修についてご紹介していきたいと思います。
入社前研修を行う意義
入社前研修を行うことでどういった効果があるのか見ていきましょう。
【内定辞退防止】
近年、企業の内定時期が早まっています。
4月、5月には内定を出す企業も少なくありません。3月に解禁し、4月・5月に選考・内定となれば、しっかり会社を理解する時間がありません。
ミスマッチングによる早期離職につながるリスクが高まります。
また、学生はおよそ1年近く自由な期間(遊び期間)となってしまいます。期間が長いと考えも変わる可能性がありますので、会社への帰属意識を植え付けるため、会社にすんなりなじんでもらうことで内定辞退を防止する意味があります。
【就職(社会人生活)に対する
不安を払拭するため】
学生は楽しい学生生活から立派な社会人になれるか不安を抱きがちです。
特に、大学生活は堕落した生活を送りがちで社会人として生活サイクルも含め真っ当社会人生活を送れるかという不安を払しょくさせるために入社前研修は重要な意味を持っています。
【同期意識】
懇親会や社内イベント、研修などを通して、内定者同士の仲間意識を持たせることで横のつながりを強め、お互い刺激しあえる仲間を作ることができます。
【企業の風土、文化の植え付け】
3年以内の早期退職が3割と言われている理由の1つに企業への理解が足りないことが挙げられます。
企業独自の考えや習慣、風習、組織体制などは同じ業界の同じ業種であろうと全然違います。
内定者へのイメージとのギャップをなくすため、理解してもらうためには時間が必要です。
新卒者の場合は、周りを見てきてない分、理解の許容範囲が狭いですのでしっかりギャップを埋める必要があります。
【社会人としてのマナーを学ばせる】
学生に急に社会人になりと言っても無理があります。
研修を通し、社会人としてのマナーを学ぶ、もしくは、一緒の空間で働く現場を見ることでマナーを学ぶことができます。
【入社前研修の例】
具体的にどういった研修があるのか、どういった効果があるのかご紹介いたします。
【社内イベント参加】
忘年会や新年会など会社で行っている行事に参加することで、先輩社員の仕事以外での姿を見ることでその人の人間性が出ますので、興味や関心が自然と湧きます。また受け入れ意識を高める効果があります。
【会社・工場見学】
入社する会社の業務の内容の全体像が見えてきます。特に、生産・業務の流れを順にみてもらうことで一つ一つの工程の重要性、どういった部署があるかを把握することができ、配属部署が自分の希望ではなかったという学生でも部署の重要性を理解してもらえるので早期離職を避けれる可能性もあります。
【内定者懇談会、会食の実施】
たいていの企業が取り入れている懇談会・会食ですが、出来れば、1度だけではなく、内定者だけの懇親会のセッティングや若手社員を入れての懇親会など役職者などを除いた懇談会や会食を行うことでフランクな場となり、横のつながりや入社後のイメージが具体的湧くことできます。
【勉強会・グループワーク】
仕事をするために必要な資格やパソコンソフトに関する知識など、内定から入社までの空白の期間を利用し、入社前に基礎知識を身に付けさせておくことで早期戦力化を図れます。また、内定者側から見ても業務に使える知識を事前に学んでおくことで仕事に対する不安を解消する効果があります。
【内定者アルバイト】
希望者を対象に実際に働いてもらうことで、会社の雰囲気、先輩社員との交流、働く姿を見ることで、学生に自分が働くイメージを持ってもらえます。また、実際に作業を行う中で会社の中身を肌で感じることができます。
また、会社側も実際に出社してもらうことで内定辞退リスクを大幅に減らすことができ、
入社前の配属決定の基準の参考にもなります。
最後に
採用は選考を行い、選別・決定を行うだけではありません。会社に利益を多くもたらす人材になるまで
育てるまでです。
その中で、一番の失敗は「早期離職」です。
入社して、すぐ退職してしまうのは、企業にとって大きい損失です。時間とお金両方が割かれてしまいます。その損失をなくすために、情報提供や機会のセッティングあらゆる方法、手段を使うことは当然のことです。
多くの企業では人事のプロがいないと感じます。
理由は、最終権限が社長や役員にあるからだと思います。採用のプロとして、人事の方も採用の数値化を考えいかなければならない時代なのでしょう。