キリアンみたいに練習する6つの方法
キプチョゲがゴートと呼ばれているが、マウンテンゴートと言えば、UTMB2022を驚異的なタイムで優勝したキリアンジョルネ
「彼のように練習するにはどうしたら良いのか」という疑問を持つ人は多い
面白い記事を読んだので、それを日本語でまとめる
元ネタは以下より 2022/11/20
1. 自分の状況に合わせてスケジュールを調整する
プロのアスリートといえども、妥協は許されない。
ウルトラランナーの妻と2人のお子さんを持つキリアンのトレーニングの時間は、以前より少なくなっている。
4時間を超える長距離走を、もう少し短い距離走の分割によって置き換える。
今年は、一番下の娘がずっと家にいて、妻もキリアンも真剣にトレーニングをしていたので、8時半から12時までと、12時から15時半までと、交互にトレーニングスケジュールを組んでいる。
そして、夕方、娘たちが寝静まったころに、もう1回短いセッションを行うことができる。
これで、長時間のセッションはできないが、1週間のうちにショートとミドルのセッションを複数回行い、距離を積み重ねている。
2. それぞれのランニングの目的を知る
コースレコードの更新を目指すにせよ、マラソンを完走することを目指すにせよ、具体的に計画を立てることが重要。
効果的なトレーニングスケジュールは、自分の目標に合わせたものであるべき。
持久力をつけたいのなら、集中的に走る。
それなら、イージーランニングに集中し、強度の高いトレーニングも取り入れるべきでしょう。
距離走の新記録を目指すのであれば、目標レースペースで1kmを5回、間に90秒の休憩を入れるなど、具体的な方法が効果的。
大切なのは、「すべてのワークアウトをするとき、"なぜこのワークアウトをするのか?ゴールは何なのか?"と考える。」
外に出てハードなトレーニングをするのではなく、そのセッションで本当に重要なことに集中する』。
3. 定期的な体力測定を実施する
キリアンは定期的に特定のルートを走り、所要時間や乳酸値などさまざまなものを測定して、自分の状態が今どうなっているかをチェックしている。
このテストはワークアウトの一部でもいいし、それ自体がワークアウトになることもある。
生理的な測定以外にも、実際に走ってみて自分の体を監視することが重要。
測定するときは同じルートを走ることで、過去の自分と比較しやすく、路面コンディションにあまり影響されない。
少なくとも週に1回は簡単にできるルートで行っている。
4. しっかりとした土台を作る
キリアンは、ベーストレーニング期間を設け、その後、目標とするレースに合わせてより具体的なトレーニングを行うことを信条としている。
ベーストレーニングは、ランニング歴や現在の体力など、ランナーによって異なるが、簡単な有酸素運動を6〜10週間ほど行うことが多い。
有酸素運動の能力を高め、その上でさらに高強度の運動を追加するという考え方だ。
キリアンは、3つの期間に分割して練習計画を立てている。
(1) 有酸素運動の基礎を作る期間(これはスキーやクライミングなどで行うことができる)
(2)トレイルランニング特有の能力を構築する特定の期間
(3)それぞれのレースのための異なる能力を構築する短い期間
5. イージーランニングを取り入れる
走行距離の多くをハードに走りすぎるのは、典型的な間違い。
キリアンを含むほとんどのエリートは、80/20の法則に従っている。
これは、ランニングの80%は比較的簡単で、ハードなのは20%だけであるべきというもの。
この比率は、走行距離の少ないランナーにも当てはまる。
ハードな運動ばかりしていると、毛細血管密度など、簡単な有酸素運動でしか得られない生理的な効果が得られないし、ケガのリスクも高まる。
キリアンのトレーニングの大部分は、イージーランニング(心拍数ゾーン1、2、3)。
「もっと練習量をこなすことができるとは分かっているが、スピードワーク(心拍ゾーン4と5)を何週間か続けてやると、怪我をする可能性がある」とキリアンは言っている。
6. 自分に合った食事法を見つける
栄養学には賛否両論があり、完璧で万能な解決策はない。
自分の体の声に耳を傾け、科学的な裏付けのあるアドバイスに従い、何が自分に一番合っているのかを見極めることが大切。
キリアンはこの項目が「ここ数年で私が最も進歩したことのひとつ」だと言っている。
自分の特性のために毎日の栄養にもっと集中するようになり、それによってパフォーマンスのレベルだけでなく、回復の能力も高まった。
毎日の食事はベジタリアンで、ポテト、米、パスタ、キヌア、パン、野菜などの炭水化物、豆類、ナッツ、アボカド、チーズ、卵などのタンパク質と脂肪をベースにしている。
そして、オメガ3、6、ビタミンD、プロバイオティクスをサプリメントで摂取している。
7. 感想
1. 自分の状況に合わせてスケジュールを調整する
→1日2回に分割し、午前もしくは午後3時間半(ミドルのセッション)と、夕方にショートのセッション
2. それぞれのランニングの目的を知る
→なんとなく走るのではなく、「走る目的」を持ってトレーニングする。
3. 定期的な体力測定を実施する
→感覚などの主観的なものや、体重・体脂肪率などの客観的なだけでなく、実際に走ってみて自分の状態を同じルートで走り、毎週チェックする。
4. しっかりとした土台を作る
→年間のレース計画をまず立てて、その一年をどのように過ごすのかを考えたうえで(1)〜(3)を組み入れた練習計画を立てる。来月大会があるから出ようなどと突然レースを入れたりするものではない。
5. イージーランニングを取り入れる
→プロアスリートも実践している80/20の法則を実践しているランナーは、かなり少ないのではないか。これは月間走行距離が多い少ないに関わらず適応すべきということ。
6. 自分に合った食事法を見つける
→食事法は人それぞれ合う合わないがあるので、これをすればみんなうまくいくという方法はない。科学的な裏付けのある方法を試しながら、自分の体の声に耳を傾け、自分に合った方法を模索していくことが大事。