今はもうない中野サンプラザに捧ぐ。
ああ、そうだった。この階段を見るだけで、もうドキドキしたっけね。昇る時は一歩一歩踏みしめて。あれは遠い昔、高校生の頃。中野サンプラザは、1973年開業だから初めて行ったのはまだオープンして数年しか経っていなかったということを改めて知る。その歴史に幕を下ろしたのは、今年の7月。再開発目的の建替えということだけど・・・。「中野三角サンプラザ」と夫がふざけて呼んでいたあの下の方の階が妙な三角形になっている形は、きっと継承されないだろうな、という予感。
まもなく閉館という時期、フリースペースでは、サンプラザの足跡を展示していたよ。私は、時間をかけて初めて訪れた日を探した。（単純に暇、とも言えるけど）あった！ 1977年12月4日「甲斐バンド’７７ サーカス サーカス」コレだ。チケットが、2000円だったなんて。安い。高校生だった私は、甲斐さんを「人生の師」と仰ぎ、ライヴに行けば全曲フルコーラスで歌えるほどに、入れ込んでいた。きっとこの日は、朝からドキドキしてたんだろうな～。日曜日だったことは鮮明に覚えてる。甲斐さんの髪がまだ長かった頃だ。
さて。左端に写っている特徴的な建物を模した消しゴム。これは、絶対欲しい。ガシャポンの中に入って売られていたのだけれど、私がお邪魔した時間帯は、なぜかマシンに布がかかって「閉店」していて残念。諦めきれなかった私は、夫が用事で中野に行くと言うので頼んだけれど、なんとその時は売切れてたって。そして永遠に手に入らないことを知るのでした。悲しい。
他にも、色々アーカイブがあって、当時としては画期的なロックオペラを上演していたって。これは知らなかったな～、とじっくり見てみる。今は天国にいる桑名 正博さんやジョー山中さんの姿が。ここでも時の流れを感じてしまい・・・。そう考えると私のエンタメ魂にもその分時が乗っかっているわけで、こんなに長い時間が過ぎてもまだ現役で良かったな～と、いきなり自分を振り返る中野での夕方でした。いつか生まれ変わった新しいホールにも足を向けられるよう好きなエンタメをたくさんキープしておこう、と決めて名残り惜しいけど、立ち去ったよ。