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ホーチミンで観た水上人形劇は、その仕草を思い出すだけで笑みがこぼれ、幸せな気分になるぞ。

 9月にベトナムはホーチミンに行ったのだけど、その際ぜひ観てみたいと思った水上人形劇に行ったよ。
 ベトナムの伝統的エンタメで、どうもベトナム国内でしか演じられていないらしい。水上で演じるのは何故? と思ったけれど、きっと確固たる理由があるんだろう。何しろ1000年ほどの歴史があるらしいから。

 出発前にYOU TUBE で映像を見たら、そのコミカルな動きがツボに。どうやって操っているのかも、とても気になった。
 御簾の向うで、下半身水に浸かりながら長い棒でもって動かしてることが、途中でわかった。経験と技術が必要だし、ホーチミンはまだ良いけれど冬があるハノイでは冷たくないのかな? と心配も。

 さて、いよいよ開幕。もう出てきただけで、なんか笑ってしまう。遠隔操作なものだから、どうしても動作がぎこちなくなるのだけれど、それがまたほんとに良い味を出してる。

 だいたい数分で終わる民話のようなお話がオムニバススタイルで続いていくのだけれど、言葉が全然わからなくても、だいたいのストーリーはつかめる。
 悪い人が来て皆で力を合わせて戦ったり、といったどの国にもあるような流れなので、とてもわかりやすい。たとえ、話の筋がわからなくても、人形たちを見ているだけで、充分満足なのだけど。

 ライヴ感満載の演奏入り。両脇に、色々な楽器がセッティングされていて、それを操りながらセリフも言う。
 大変なシーンには、もちろん銅鑼や打楽器で盛り上げてくれる。
 人形との一体感も、良き。

 やっぱり、水上劇だけに船のシーンは多い。これはきっと何人かが協力して操っているんだろうね。
 方向転換する時など、相当の力がいるのでは?
 水の色は、どうも濁っている必要があるらしい。そうしないと、水中の仕掛けが見えてしまうからなんだろう。
 YOU TUBEで見たけど、横浜に招かれて演じた時は緑色の水だった。この濁った感じの色だと、ビジュアル的に問題だったのかな?  
 これはこれで良いと思うけどね。

 鴨だかアヒルだかも、スイスイと泳ぐ。これは全員が繋がっているのか、それとも一羽一羽別々で、皆で調子を合わせているのか。どちらにしても、けっこう難しいと思うから、やはり経験が必要だよね。

 もうこういう動きがツボ。無闇に水しぶきをあげてる。客席も100人くらいは入れるので結構大きいから、大袈裟な動きが必要なんだろうけど、そうするとどうしてもコミカルになってしまう。
 おかしかわいくて、つい笑っちゃう。

 ドラゴン! 火を吹いてる。 花火? どうやってやっているのか気になる。まるでメコン河のような水の色だったのが、このシーンだけ緑色に見える。それだけ、火の力が強かったのかも。
 このように後半に行くに従って、ダイナミックな仕掛けが用意されていたので、全然飽きずにフィナーレまで楽しめたよ。


 最後には、皆様出てきてご挨拶。ほんとに水に浸かってる。これを毎日演じるのは、大変だろう。体調悪い時なんか、辛いだろうけれど、そこはプロ。きっと頑張って操作してくれてるはず。

 しかしながら、最終的には上半身も潜らなければならないようで、天晴。
 ついつい手を振っちゃうよね、見ている方も。
 客層は、インバウンドがかなりの数を占めていて(かくいう私も)、子供もたくさんいたよ。
 大きな打楽器の音に最初びっくりしてた小さい子がいたけれど、そのうち見入ってしまったのか、泣き声も止んだ。言葉が通じなくても、面白いものはわかることの証。
 愛くるしい人形たちの動きを今思い出しただけでも、笑っちゃう。そんな時間をくれたこの人形劇に、とってもありがとう。

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