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Keep in touch は、もう約束だよ。石橋凌さんに乾杯。その4

 何が違うのかって。
 それは、記憶する力。それと、時間。
 ARBが好きだった10代後半から20代前半の頃は学生だったので、のべつ音楽を聴ける環境にあった。そして、何回も何十回も聴いているうちに自然と歌詞を覚えてしまったのだと思う。
 思い出しても苦労して覚えた記憶は、ない。歌詞どころか、イントロからギターソロの音色まで、全部頭の中に入って行ったのだ。そして、それらは今でも消えていない。
 何十年ぶりかで聴こうとも、普通に歌える。当然別のギタリストなので、その音色の違いさえ感じる。
 それはもう、しかたのないこと。許していただくしかない。
 でも。
 それだけ年を重ねて、覚える力も衰えてしまった、と嘆くより、
「なんだ、ずいぶんと面白い大人になれたじゃないの。まだこうやってライヴに足を運ぶことが出来ているし」
 と喜びの気持ちを抱く方が大きい。
 負け惜しみでも何でもなくて。
 しかも当時から一緒に行っていた小夜ちゃんも、ということがなお嬉しい。

 

大切にしつつも、一枚剥がして使ったと思われるARB時代のステッカー。


 そう言えば、新宿LOFT3DAYSに3日間通ったな、と思い出した。LOFTの平野さんからお花が贈られて入口に飾ってあったけれど、ARBとLOFTは本当に濃い関係だった。
 「LOFT23時」という曲もあるほどに。
 もうホールクラスでライヴが出来るほどに人気が出ていた80年代後半に突如発表された3DAYS。万章繰り合わせて全日行こうと、頑張った。小夜ちゃんも、一緒。
 働いていたので、開演時刻ギリギリに駆けつけたのだと思う。
「今日も最高だったけど、明日もまた行ける!」
 本当に幸せな3日間だった。


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