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ソーゾーシー2024ツアーも無事終了~。遅ればせながら初日のルポ。その2
それにしても。
みね子師匠には、頭が下がる。浪曲は、必ず三味線と共に演じるので、70歳超えのみね子師匠は紅一点、このそうぞうしい4人と行動を共にしている。
東京公演の時は、まだ良い。けれど、地方の時は泊りがけなわけだから、さぞかしお疲れになるのでは、と想像してしまう。
けれど、みね子師匠は、まるで4人のお母さんのように少し微笑みながらおつきあいしてくださっている。
時にはおいしいおにぎりを握って来てくれることもある。
去年「なかのZERO」で、ファンミーティングのようなイベントがあった時は、歌まで披露してくださった。
中学生ぽい、と言っても4人とももう立派な大人だから、みね子師匠へのリスペクトをきちんと表現していて、それでバランスが取れているのだと思う。太福師匠に至っては、自分の師匠のおかみさんなわけだから、なおさらに。
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ツアー初日のため、みね子師匠も高座にあがって初めて聴く話だけれど、それに合わせて即興で三味線を弾き、合の手を入れたりする。
もうツアーも終了したことだし、ちょっとだけネタばらしをしても良いかと思うのでお伝えするけれど、今回のネタはみね子師匠が小さい時に飼っていた熊の話だったのだ。
びっくりしただろう、と思う。
この面白い話は、以前にエンディングトークで聴いたことがあるので、
「あ、あの話!」
と私も思ったけれど、それが浪曲になると、これはもう面白さも倍増で笑いっぱなし。
それでもみね子師匠は動じずに、ばちを握って演奏。その姿は、お見事。
エンディングトークで、
「びっくりしたでしょう?」
と太福師匠に聞かれても、ニコニコしていて、そこにお人柄が表れていて、本当に良い人なんだなということが伝わってくる。
極めつけは、
「あの時の熊、少し大きくなった時に、野生に戻してあげれば良かったって今でも思ってるんです」
という言葉。
ひょんなことから子熊の時に飼い始めた熊が、大きくなって暴れちゃったという話の流れなんだけど、
「そこに思いを馳せるのか~。どこまでも、思いやりの人だな~」
と感心しきりの私だった。ご自分の話を面白おかしく浪曲に仕立てられた驚きよりも、熊のことを思いやる気持ち。
なんだか私は、感動してしまった。
いつも「ソーゾーシー」のオリジナルテーマで始まるこの楽しいイベント。ふだんは、それぞれの出囃子に乗って登場する4人だけれど、「ソーゾーシー」の時は皆同じ曲。
そのメロディラインがちょっとわくわくさせられる調子なので、それを聞くと、
「ああ、ソーゾーシーに来てる!」
という気分になれる。
鯉八師匠を好きになったお陰で、ソーゾーシーに出会えることができたと思っている。
特に浪曲の太福師匠はこの会がなければ、聴くチャンスはなかったかもしれないので、とてもありがたい。
また来年もツアーがあるとのことなので、絶対に行きます。
ああ、面白かった。
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