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国立文楽劇場に足を運べば、一気に広がる伝統芸能の世界。義太夫も。

 昨年の秋のある日、国立文楽劇場に行ってきました。「観てみたいなぁ」とずっと思っていたのだけど、敷居が高くって・・・。


 ところが幕見があると知り、それなら私でも行ける、といざ。
 2024年は、開場40周年ということで、めでたい。
 そろそろ12月になるという頃だったので、忠臣蔵のお話だった。

 根強いファンがたくさんいらっしゃるようで、新参者の私は、ただただ舞台で華麗に動き回る文楽人形に見とれるばかり。
 3人がかりで動かしていて、2人は黒子。黒子は見えているけれど、見えていないという設定で。これって、日本の伝統芸能特有なんだって話をどこかで耳にした。西洋ものではありえなくって、
「見えてるのに見えてないって何?」
 となっちゃうらしい。
「なかったことにしよ」
 そんなご都合主義で、過去の嫌なことを忘れようとする気持ちにも似て、日本人の私には割合と受け入れやすい。

 とは言え、伝統ばかりを追っていては新しいお客様はやって来ないということで、ゲームのキャラとコラボしたりしてびっくり。意外にもというか、全然違和感ない。むしろ、凛々しくて良き。

 その後新宿末廣亭では、寄席の顔付に義太夫登場。義太夫というのは、文楽のお話を横で読んでくれる人ね。調子がまた独特。今まで知らなかった伝統の世界に魅せられた! と神田伯山先生のYou Tubeに寄せられたコメントを読み、継承するには色々な方法があるんだな、と思った次第。
 12月の中席は、いつも神田伯山先生がトリなのでその模様を10日間じっくりYou Tubeで伝えてくれるのだけれど、この義太夫登場はちょっとしたエポックメーキングなできごとだったもよう。

 併設の無料で入れる資料室が楽しい。じっくり見ていくと、どんどん知識が増えていくし、映像もあるのでどうやって動かしているのかなど深いことも知ることができる。
 大阪駅にも、文楽人形が飾られていて文楽推しなんだなということは前からなんとなく感じていたけれど、今回本当に行って良かった。

 

 ちょいと懐かしい写真をご紹介しましょう。流行病が蔓延している時に訪れて撮影した一枚。この時は、上演がなかったのでお邪魔はロビーまでだったのだけれど、こうやってマスクまでつけてもらって大切にされているのを見て、
「一度観てみたいな」
 と思ったのだと思う。
 しかしながら改めてマスクの効用を知る。ほんとは、結構怖い顔(すぐ上の写真参照)なのに、マスクをすると眉毛の上がり具合も若干下がった感じもして、いかつさが和らいでいるような。
 しかも、このお顔モバイル。今の位置とは違う場所。
 ・・・と言っても私が行ってから、すでに数か月は経っているので、また違う所に鎮座ましましてるかもね。

 また行って確かめるのも、あり、です。

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