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最前列の安田汁、すごい迫力の「死の笛」 その4

 6年ほど前にもヤスケンは兵士を演じていた。チームナックス第16回公演「paramushir~信じ続けた士魂の旗を掲げて」は、終戦直後の北海道の話。 チームナックスのメンバーそれぞれが、位の違う兵士で、もう戦争は終わったはずなのに、北からソ連が攻めてきてしまい、もう一度戦わなくてはならなくなった、という史実を元にした作品。
 一度終わった、と安堵した心と体をもう一度奮い立たせるには、相当のエネルギーが必要だった。
「もう戦争は終わったというのに。家族の元に帰りたいのに」
 大泉洋さん演じる軍曹。それでも、なんとか気持ちに落とし前をつけ、
「俺たちは未来のために戦うんだな」
 と再度立ち上がる。ソ連に北海道を取られないように、日本の未来のために戦うという大義を見つけて。
 そうしてヤスケンを除く4人全員は、戦死してしまうのだ。
 数十年後、すっかり老人となったヤスケンが慰霊に訪れる。
「遅くなった」
 手向けの酒を地面に染みこませ、亡き4人の仲間に語りかけるヤスケンと言ったら・・・。
 私は、劇場で3回、DVDでは10回以上観ているけれど、この場面で必ず泣いてしまう。



写真は、所属のクリエイティブオフィスキューから。


 
 

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