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【バレエ】イングリッシュ・ナショナル・バレエ「くるみ割り人形」@ロンドン

English National Ballet
NUTCRACKER
Tuesday 7 January 2025 at 19:30, London Colliseum

ENBのくるみ割り人形見てきました!

今年は念願の新版!ENBは長年、新国立劇場でもやっているイーグリング版でしたが、満を辞して新バージョンです!もうすごく楽しみにしていました!のにも関わらず!相変わらずチケットを取るのが遅くて…。それに加えて今年はロイヤルバレエがくるみを上演しなかったので、ロンドンでもくるみが見られるのはENBだけ!しかも新バージョン!とあって、チケットはほぼ完売。私のお目当てのキャストも早々に完売してしまって、1月のキャストのみとなっていました…。とほほ。

毎年恒例になってるトゥシューズツリー。

で、楽しみにやってきたのですが、上演10分前に会場に着いたら、なんとみんな劇場から出てきている??えっ、今マチネ終わったの?そんなわけないよね?なんとまさかのファイアアラームで全員外で待機。寒空の中待つこと30分…。(この日は日中雪も降ったほど寒かったんです!)ようやく中に入れました。他の公演は行くことができなかったので、本当に上演してくれてよかった!ダンサーさんたちは体が冷えて大変だったのでは、と思います。

劇場はまだクリスマスムード。

振り付けは、芸術監督アーロン・S・ワトキンと、ENBにジョリーフォリーを振り付けてオリビエ賞を受賞したアリエル・スミスの共同振り付け。バレエの美しさは残しつつも、コミカルだったり、独特なコンテンポラリーな動きを取り入れて、まさに古典もコンテンポラリーもどちらも見て目が肥えたロンドンの観客向けな作品に。

舞台はエドワーディアン(1910年代)のロンドンで、序曲が始まるとそこはカラフルなドロッセルマイヤーのお菓子の店。この辺りで「チャーリーとチョコレート工場」のウォンカ的なマジカル&カラフルさがみえ、さらに紗幕が上がって街の場面へ行くと、煙突掃除の少年たちやサフラジェット(婦人参政権運動をする人)たちを含む人々や、エドワーディアンな街並みがメリー・ポピンズを思い出させます。(メリー・ポピンズも同時代の設定。)2部はお菓子の国で、それこそウォンカやメリーポピンズのようなカラフルな世界へ。また、マッピングプロジェクトやマジックを使った演出でまさに魔法がかかったような舞台でした!

キャスト陣は全体的に若手。クララはファースト・アーティストのスワニス・ルオング、くるみ割り人形の王子をアーティスト(コールド)のティアゴ・ペレイラ。氷の女王も入団1年目のアーティスト、杉浦あんりさんでしたが、この方が私的には今日のベストダンサーでした!素晴らしいアーティストを発見した〜!今後が楽しみです。

詳細は下に。新版の詳細を盛大にネタバレしていますので、OKな方だけどうぞ!


ここからはネタバレありですよ!ひくほど長いよ!笑

カラフルなお菓子のお店の広告のような紗幕が透けて序曲スタート。そこはカラフルなおもちゃ工房。ドロッセルマイヤーはウォンカを思わせる出立ちで、アシスタントと(なんか変な被り物被ってる。私は最初ネズミかと思った…。)ユニークな踊りを披露。ドロッセルマイヤーが王子のような人形を魔法でくるみ割り人形に変えます。その後エレベーターで上に行くと、そこはお菓子屋さん。クララがパーティのお菓子を買いに母親とやってきて、くるみ割り人形と運命のご対面。

なぜかおじいさん?の被り物を被ってるドロッセルマイヤーの弟子たち。
あれかな、ウォンカの小人を意識したのかしら。
彼らは2幕も登場してゲストたちをエスコートします。

ここでは紗幕にプロジェクトマッピングで魔法効果が映し出されて、あたかもドロッセルマイヤーが魔法をかけているかのように見えます。

1幕が始まると、そこは街の風景。真ん中で目に入るのが二人組の煙突掃除少年たちで、煙突掃除の箒?を持って踊っている姿はまるでメリー・ポピンズの煙突掃除夫たちみたい。サフラジェット(婦人参政権運動をする人たち)も現れて、エドワーディアン(1910年代)なんだな、ということがわかります。ドロッセルマイヤーの向かいにあるのは、Grimsewerがやっているチーズのお店。このGrimsewerはお店を閉めると子供たちを引き連れて、サフラジェットたちが人を集めて演説してる最中にスリをさせます。この辺はオリバーっぽい。そしてなんと、このGrimsewerさんと子供たちにはネズミの尻尾のようなものが付いていて…⁉︎

そして舞台はクララのお家のクリスマスパーティーへ。行進曲は子供たちで踊られがちだけれど、今回はほとんど大人たちのパートナーダンス。バレエやワルツの古典的な振りにとらわれない個性的なダンスで楽しめました。個性豊かな大人たちよく見るといろんな国の格好をしていそう。

ドロッセルマイヤーが持ってきたお菓子を振る舞うメイドと執事のダンス&マイム。コミカルな動きで面白く、メイドが調子に乗ってお酒飲んじゃって怒られてる姿とか、小芝居も面白い。この辺りや大人たちのダンスなどマシュー・ボーンのスワンレイクっぽいな、と思ったら、振り付けのアリエルはマシュー・ボーンとも働いていたことあxつたみたいです。納得!

そしてお待ちかね、ドロッセルマイヤーがやってきてプレゼントタイム!小さな袋や箱からどんどんプレゼントを出していく手品は、ありきたりだけど、ほんとタネがわからん。ステージに置かれた箱はともかく、手に持っている小さな袋からどんどんプレゼント出していくのはどういう仕組み??

で、みんながプレゼントをもらい終わったところでお待ちかねのショータイム。(この時クララがプレゼントもらったかどうかは見てなかった。多分クララだけもらってないんでは?と思った)アシスタントたちが等身大ペーパーシアター的なものを運んできて、幕があいたら、出ていたのはギンギラギンの等身大お人形たち。本当にシルバーのギンギラギン。女の子の衣装はフェアリードールみたいなふわっとしたチュチュ。本来ハレルキンな男の子はギンギラギンのアーマーをつけた騎士。騎士のソロ、2人のパドドゥが終わって、ムーア人の曲になると、ドロッセルマイヤーがくるみ割り人形をペーパーシアターに置いて、一旦幕を引くと一瞬で等身大くるみ割り人形に早替わり。ここではくるみ割り人形は射
紗幕にあるような大きな被り物を被っていて、背中に口を動かす大きなハンドルがちゃんと付いています。ダンスはぎこちないけどロボットダンスというようなものではなくもっと大きなステップを踏む大胆な踊り。1幕は総じて古典というよりはマシュー・ボーンのようなコンテンポラリー要素が入っていて振り付けも面白い。大人たちの踊りでは、おじいちゃんがTiktokで昔流行ったあのダンスをしちゃったりとか、面白要素もたくさん。

くるみ割り人形をやっと貰えてご満悦のクララ。ここでクララのソロ。これもコンテ寄り。クララ役は子供と大人と分かれていて、ここでは子役さんだったんだけれど、かなり大きいし踊りも素晴らしかったので最初は団員の方かと思った。シューズもトゥでなくてバレエシューズ。床に寝転んだりのびのびとして、体全体で嬉しさを表現。で、お決まりでくるみ割り人形は妹と弟に壊されるんだけれど、上半身と下半身が別れちゃったのに、下半身が魔法で浮いて自然にくっついちゃった!アーラ不思議!

子供クララとドロッセルマイヤー

最後にドロッセルマイヤーさんが雪の女王のお人形が入ったガラスケースを見せて伏線もはったところで、パーティーはお開き。舞台奥には2階にいく大きな階段があるんだけど、それがとてもいい感じ。夜もふけるとその手すりに這うのは小さなネズミたちの影。舞台で映像演出って最初はチートじゃん!と思ったけど、やっぱいいね。笑

クララが降りてきて、ソファに置いていたくるみ割り人形を抱いてそのままソファで眠るクララ。鐘が鳴り夢に誘われると、まるで幽体離脱したかのように大人クララへ。ドロッセルマイヤーが現れて、魔法をかけると全てが大きくなっていき、クララはプレゼントの箱よりも小さくなっています。目の前にあるのはおもちゃのお城のゲートみたいな?そこからおもちゃの兵隊たちと共にくるみ割り人形が。ネズミたちは割とリアルな頭の被り物を被ってて、それがかわいい。子供達の子ネズミたちもとってもかわいい。クララはネズミに怯えてる風はあんまりなくて、割と兵隊が出てきてネズミもいる〜みたいなカオスを楽しんでる感じ。わちゃわちゃしてくると、昼間見たサフラジェットたちやクリスマスのジンジャーブレッド人形たちも出てきてさらにカオス感。(ただ通り過ぎるだけ)そうこうしてるうちに兵隊たちとネズミが戦い出してきて、くるみ割り人形がやられかかっている!救うのはあなたよ!〜ばりに剣を差し出され、クララはその剣でネズミの王様を刺し殺す!

えー!えらい物騒じゃない!?子供向けバレエなのに…。刺したクララも「やっちゃった!どうしよう!」というよりは「やってやったぜ!」という感じ。おう…。強いな…。あとで上にも載せた振付家たちのインサイトの動画見てみたら、サフラジェットたちが出てきたのもこの演出の背景にあるようです。正直、見た時はエドワーディアンの時代背景に合わせて出てきただけ?ちょっと取ってつけた感があるな、と思ってたんですが、サフラジェットたちに感化されて強い女性になっていく物語だとか。なるほどね、サフラジェットたちはだいぶ過激な人たちもいましたからね。爆破テロとか。ん〜でも、ここは子供向けだし靴で殴るとか、もうちょいマイルド表現でも良かったかな〜と私は思いました。殴るも十分暴力だし勝つんだからさ。剣で刺すのはちょっとだいぶダイレクトな表現だな、と思っちゃいました。ネズミの王様も被り物があるとはいえ人型だったし。

ちなみに、最初チーズ屋さんにネズミの尻尾みたいなのがものがついてるのを見た時は、実はこの人たちの正体はネズミでロンドンを征服?みたいなことをしようとしているのドロッセルマイヤーがくるみ割り人形を使って止めようとしてるのか…と妄想を膨らませましたが、そこまで明確にはなりません。もちろんチーズ屋とネズミの大王は同じキャストですが。

そして、くるみ割り人形を抱き起こすと、そこには王子様がおりました。(キャストもチェンジ。被り物も衣装も全く違います)で、あの有名な美しい曲での2人のパドドゥ。展開としては、いきなり王子とキスしたり、わりと乙女な夢全開。パドドゥはリフト多用で美しい振付。クララはファースト・アーティストのスワニス・ルオングで昨年入ったばかり、王子もまだコールドのティアゴ・ペレイラで、フレッシュな2人。ルオングはのびのびと表現豊かなクララ。ペレイラは本当に「若き王子」という感じがぴったりの好感が持てる爽やかさ。バリバリテクニックをこなすプリンシパルダンサーの威厳とはまた違う、フレッシュな踊り。ピルエットも綺麗でした。メインキャストはプリンシパルたちがこなしていた役ですが、クララと若い王子の設定からすればこのキャストはこれでいいかも。

王子のペレイラと大人クララのルオング

そして冬の国を通ります。周りから氷柱が降りてきて、雪が降ってきて雪の精がやってきます。雪の精は、コールドがロマンティックチュチュ、デミソリストがクラシックチュチュの二種!どちらもいいもんね、どちらもっていいとこどりじゃん!序盤のフルートの部分では、クラシックチュチュのデミソリストたちが舞う中、ロマンティックチュチュに囲まれた氷の女王がコールドと一緒にゆっくりとポールドブラ。これが美しい!手の動きだけなのに。

そして今回、一番素晴らしいな、と思ったのが氷の女王役の杉浦あんりさん。なんとまだ去年入ったばかりのアーティスト(コールド)。(やっぱモナコのグレースアカデミー出身だったか〜)もうソリストでしょ?と思わされるような美しいラインとテクニック!アラベスクのバランスは長く、そのあとアンヴェロッぺ(アラベスクで伸ばした足をパッセに入れる)もバランスとったままで美しい!ターンもクリア。これをめちゃくちゃ大きな頭飾りつけてやってるからまたすごい。(オズの魔法使いのグリンダみたいな、頭1個分はあるようなやつ。音楽性も素晴らしかったです。今後舞台で拝見するのが楽しみな方に。ちなみに氷の女王は1幕では「クララのエキセントリックな叔母」役。1人神々しいシルバーヘア&白いドレスなので、すぐにわかります。

そして氷の女王に氷のそりをもらって2人はお菓子の国へ。

2幕冒頭は序曲から紗幕を使った巨大スクリーンで、なんと氷のそりに乗っているクララ目線で空中散歩を体験。本当に乗っているみたいな臨場感。

お菓子の国につくと、各お菓子の名前がついたカラフルなテントがある広場へ。これはディズニーの「くるみ割り人形」を思わせるようなデザイン。さて、2幕は色々な演出があって、お菓子の国とするとプティパのスペイン=チョコレート、中国=お茶というのが定番ですが、ENBの新版はここが違う。お菓子を本当に各国独特のお菓子に変更したのです。というわけで、まずは女王のシュガープラムがご挨拶、ちゃんとご挨拶するたびにそのお菓子がクララに振舞われます。

シュガープラムはこんなの。(画像はお借りしました)

日本語だと金平糖と訳されてますが、こちらをお読みの皆様ならシュガープラムが金平糖じゃないのはご存知かと。作り方や国によってはドラジェっぽいものもシュガープラムみたいに言われたらしいので、それだと金平糖っぽいかな。こちらの演出だと、エドワーディアン時代に食べられていたシュガープラムはドライプラムや他のフルーツの砂糖漬けだったのでこのようなものかと思います。ヴィクトリア時代から高級菓子として名高いシュガープラム、当時イギリスでも上流、中流階級でよく食べられており、それもクリスマスの特別お菓子として定着しました。

なのでシュガープラムとキャバリエも薄紫。

ゲストを迎えるトップバッターはスペイン。スペイン代表のお菓子はこちら!

Turron(トゥロン)(画像お借りしました)

トゥロンというナッツが入ったヌガーで、スペインでクリスマスに食べられるお菓子だそう。フラメンコダンサーが描かれたかわいい箱から出てきたのは、3組のカップルたち。いかにも!な赤or黒のフラメンコドレスではなくて、パステルカラーなふわふわクラシックチュチュなのもいい。(1幕でゲストとして出てきた時は、それっぽいフラメンコドレスでした)

トゥロンのダンサーたち。

お次はアラビア。アラビアは飲み物。

Sahrab(サフラブ)(画像お借りしました)

サフラブという、キャスト表には「エジプトの蘭の根のミルクとシナモン」と書いてありましたが、中東で飲まれる甘い飲み物。フルーツや花のエキスのシロップだそうですが、こちらで紹介されているものは、蘭の根からとったエキスにミルクを混ぜたものみたいです。ダンサーはミルクの女性がカップから出てきて2人のシナモンスティックと踊ります。ミルクの女性は長ーいひらひらフリルの袖を使って優雅。1幕では女性は大きなターバンをつけて登場。

サフラブのダンサーたち。

お次は中国。中国のお菓子はこちら。

糖葫蘆(タンフールー)画像お借りしました。

タンフールーというサンザシアメ。りんご飴のように砂糖を水で溶かしたシロップをさんざしにかけたもの。りんご飴よりも飴の層は薄いそうです。こちらも冬の定番のお菓子だとか。写真のような、大きいさんざしが刺さったスティックを持って踊ります。彼らは1幕では煙突掃除夫。こちらも掃除のスティックを持ってるので匂わせてましたね。

タンフールーはフチヤマシュンペイさんと、ノアム・デュランド。
フチヤマさんは等身大くるみ割り人形も踊りました。

お次はロシア。…と言いたいところですが、「ウクライナの」お菓子として登場。

Makivnik(マキヴニク)(画像お借りしました)

ロシアでも食べられてますが、「ウクライナの」と書かれたポピーシード(ケシの実)を練り込んだロールケーキのマキヴニク。こちらもクリスマスに食べられるみたいです。ダンサーはぐるぐる模様があしらわれた全身タイツで、こちらは定番っぽくジャンプいっぱいのダンス。ソリストはファーストソリストのダニエル・マコーミックで、のっけから360度ジャンプ(足を振り上げてグルンと回す大技ジャンプ)で登場。大技ジャンプを次々こなし、今日一番客席が沸きました。他のダンサーたちはぐるぐる模様が入った傘を持って。

今日一番の歓声を浴びたマキヴニクのマコーミックとダンサーたち。

お次は定番、ドイツのマジパン。

マジパン(画像お借りしました)

大きなカウンターの上のケーキスタンドにたくさん乗せられた赤白のぐるぐる模様のマジパンケーキ。ぐるりとカウンターを裏返すと、マジパンたちは実はダンサーたちでした!こちらも定番、赤白のキャンディスティックみたいなフルートを持って踊ります。カップケーキ型の衣装がかわいい。かわいい衣装はABTのホイップクリームにも影響受けてるかしら。ソリストは大谷ハルヒさん。私の本命キャストはハルヒさんがクララの日だったので、今回見られてよかった!

マジパンの大谷さんとダンサーたち。

お次はキャンディーボンボンですが、新版はこちら。

リコリスオールアソーツ(画像お借りしました)

新版はなんとリコリスオールアソーツ!イギリスの定番お菓子です。リコリスという甘草のキャンディ(黒い部分)を使ったもので、フルーツ味などを使ったカラフルでポップなデザインが特徴。子供達の衣装もこのまんまで本当にかわいいのです。かわいいけど味は…!まさに納豆やマーマイト的なもので、Love or Hate、個人的に別れます。ちなみに私はHate。ハッカもダメで、リコリスも私は食べられません。それくらい独特のお味。北欧でもサルミアッキとして真っ黒いキャンディーでとても人気です。イギリスではこのリコリスオールアソーツ(商品名です)は1920年代に登場しているので、この舞台の設定されているエドワード時代にはまだ生まれていません。(リコリス自体は食べられていましたが、この商品はなかった。)なのでクララの夢の食べ物という感じでしょう。

1幕でおばあさんを演じていたダンサーが、マダム的な感じでリコリスのボックスの箱の上にいますが、ソリストの踊りは1幕では出ていなかったパウロ・ゴンザレス。彼は特に度肝を抜くテクニックを披露するわけではないのですが、スタイルが美しすぎる!特に衣装がブラックの全身タイツなので、スタイルの良さが丸わかりなのですが、手足が飛び抜けて長くスレンダーなので、バレエのスタイルの美しさがすごくよくわかる。体も柔らかく、足のラインも美しい。アチチュードでバランスポーズするだけなのにあの美しさ!と、まさに目の保養のダンサーでした。彼もこれから注目したい。まだ入ったばかりのアーティスト(コールド)です。

リコリスのソリスト、パウロ・ゴンザレス。

彼を含む、アンリさんやルオングも紹介された昨年入団ダンサーをまとめたビデオがこちら。アイコンに出ているのがパウロ。↓

リコリスの踊り↓ソリストはナカアキレンタロウさん。

お次は花のワルツ。

バタークリームのバラデコレーションケーキ(画像お借りしました)

イギリスでは定番のバタークリームケーキです。デコレーションケーキはイギリスではウェディングやバースデーなどの特別なお祝い事で食べますが、日本のショートケーキのように生クリームが使われることはほぼありません。このようにアイシングやバタークリームでかっちりコーティングされているのが普通。そこにカップケーキのようにバタークリームで飾り付けられます。新版の花のワルツはバタークリームのバラたち、ということでこの写真のイメージです。お花たちはコールドで、ソリストはクララと王子の見せ場再び。ルオングののびのびとした表情豊かなクララが印象的。ルオングはフェッテやペレイラもターンなどをキレイに決めて、今後が注目のダンサー。

バタークリームのバラたち。

シュガープラムのパドドゥは、プティパは古典をベースにしつつもだいぶ変えてます。このキャストはカルメンで素晴らしかったイヴァーナ・ブエノがシュガープラムだったので気になってたのですが、イヴァーナはもしかするとガッツリ古典ダンスよりはカルメンやクララの自由度高くて表現を思いっきりできるダンスの方が合ってるかも。彼女はファーストキャストで大人クララだったのでそっちも気になりました。

こちらはパドドゥのチラ見せ↓踊ってるのはエマ・ホーズとアイトール・アリエッタ。

最後にフィナーレが終わり、クララはシュガープラムがしていたキラキラの首飾りをもらいます。目が覚めて、「あ〜夢だったのね、えっこの首飾りって!?やっぱり夢じゃなかった〜!」オチも想像はつきますが、最後はドロッセルマイヤーが背後に現れ魔法をかけて、プロジェクトマッピングでの魔法効果のキラキラが映し出され、最後のジャン!の音で、驚いたような笑顔で客席をぱっと見上げるところは、またこれから魔法が始まる!みたいな素敵な演出!あ〜いい夢だったな〜で終わる余韻よりもまたこれからワクワクが始まる、という、今までにないいい演出だな〜と思いました。

カラフルで楽しいくるみ割り人形でした!ロンドンの新たな冬の定番になりそう。

一つ気になったのは、劇場で売っていたポップコーン。ロンドンの劇場は基本上演中も劇場で飲み食いOKなんですが、ポップコーンはどうよ…。赤白ストライプのかわいい紙箱に入った、昔の映画館で売ってそうなかわいいパッケージだけど、ぼりぼりうるさい笑。他にどんなお菓子があったのかは知りませんが、ポップコーンはやめない…?せめてキャンディとか、音出ないやつにしようよ。ポップコーンってもそもそっぽい食感だと思うけど、しっかりコーンかキャラメルかなんなのか、すごいボリボリっという食感がちゃんと聞こえてました。隣の女の子が2幕中ずーっとボリボリボリボリ食べてて気になった。笑 特に金平糖のアダージオの時も音楽が静かなので誰かのボリボリがずっと聞こえてきて気になる笑。子供が多いから飽きさせないための対策かなあ。なんにせよ音は気になる〜。

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