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ひとときの時間

何もかもめんどうくさくなり
布団に潜り込む
寒さとは無縁になりたいひととき

けれど

人は人を求め
温もりにすがり
一瞬の愛を育む

あっけないの?
いいや
お互いを想いすぎて
ほどけることもある

熱が強すぎれば
冷めることもある

それでも
儚いと知っているからこそ
このぬくもりを
抱きしめたくなる


この詩は、寒さを避けるために布団に潜り込むという冒頭から始まり、人との関わりの温もり、そしてそれが一瞬であることの切なさへと展開していく。

◆冒頭:「何もかもめんどうくさくなり 布団に潜り込む 寒さとは無縁になりたいひととき」
現実の疲れや気だるさから逃れようとする姿が描かれる。物理的な寒さだけでなく、心の冷えや孤独感を暗示しているようにも読める。

◆「けれど 人は人を求め 温もりにすがり 一瞬の愛を育む」
布団の中で寒さをしのぐように、人は本能的に人との温もりを求める。ここで「すがり」「育む」とあることで、一時的な愛であっても、それに全く意味がないわけではないことが示唆される。

◆「あっけないの? いいや お互いを想いすぎて ほどけることもある」
一瞬の愛は儚いけれど、それが「あっけない」とは言い切れない。想いの強さゆえにすれ違いや別れが生じることもあるが、それは決して無意味なものではない、という視点がある。

◆「熱が強すぎれば 冷めることもある」
恋愛や愛情の熱が高まりすぎると、かえって冷めてしまうことがある。情熱の持つ矛盾を、シンプルな言葉で表現している。

◆結び:「それでも 儚いと知っているからこそ このぬくもりを 抱きしめたくなる」
すべてが一瞬で終わるとわかっていても、その一瞬の温もりにすがりたくなる。はかないものだからこそ、愛おしく、抱きしめたくなる感情が生まれる。

この詩は、愛や関係性の持つ一瞬の輝きと、それが消えることへの切なさを、静かで余韻のある言葉で綴っている。理屈ではなく、感覚的に共感できる余地がある

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