なぜ歯周病が糖尿病の原因になるのか
先日、東京都歯科衛生士会主催の研修会に参加した。
会場の机の上には、資料と歯ブラシ、洗口剤などの試供品が置いてあり、
テンションがあがる。
最近は、研修会や歯科学会に参加しても口腔ケア関連の試供品はもらえないことが多いのだ。
この日は
「歯科衛生士はおさえておこう 歯周病の知識」というお題で
東京都医科歯科大学 口腔生命医科学分野 教授 片桐さやか先生
が講演された。
先生の経歴は、歯周病科の准教授から2024年7月に口腔生命医科学分野の教授になったばかりで、ハーバード大学にも留学されており、歯周病と
全身疾患(糖尿病・妊娠・肥満関連)について研究していたそうだ。
ーなぜ歯周病が糖尿病の原因になるのかー
歯周病は「炎症性物質」を作って全身に悪影響を及ぼす。
その「炎症性物質」が血糖値を下げるインスリンの働きを邪魔して、血糖値スパイクを起こしやすくする。
歯周病が重症化する。
薬を使わず、食事制限をしなくても、
歯周病を治療することで血糖値(HbA1C)が下がる。
つまり、口腔内炎症を取り除くことで、全身的の炎症状態が改善される。
歯周病と糖尿病は相互に影響する。
血糖値スパイクを起こしやすい人の特徴
・炭水化物中心の食事をしている
・食べる速度が速い
・運動不足
など。
日本の糖尿病患者は、糖尿病予備軍も含めると約2000万人といわれて
おり、6人に1人という計算となる。
ちなみに国民の3/4が歯周病だ。
この研修会に参加して、
歯周治療をすることは大事だが、
そもそも歯周病、糖尿病にならないように食事を考えることが最優先だと感じた。
どんなに歯磨きを頑張っても、定期的に歯周ポケットを綺麗にしても
食生活が乱れている人は、歯ぐきの治りがよくないからだ。
私は、障害者歯科に勤務しているのだが、清涼飲料にどれくらい砂糖が
入っているのか知らずに飲んでいる人がとても多い。
小さい頃からファンタが好きで、毎日、キリンレモンかコーラを飲んでいるという20代の方がいた。
歯磨きはよくできていたが、歯ぐきから出血しやすい。
歯ぐきは、毛細血管が張りめぐらされているので、炎症を起こしていることがわかりやすい。
「口と全身はつながっている」
死ぬまで美味しく食べて、元気でいるために
むし歯や歯周病で悩む人をなくしたい
それには、歯周治療だけでは、不十分だと感じて
食について発信するのだ。
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