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憂う、月並みの日々
鼻から吸って口から吐く、これが深呼吸。心で吸って口から吐く、これがため息。一日がため息から始まるようになったのはいつからでしょう。
最初は身を刺すような痛みを心に感じた寝起きも、今ではぬるま湯のように心に馴染みます。鈍くなったのは良いことなのか、悪いことなのか。
別に死にたくはないが生きる気力もないこと、過去に消えてしまいたいと思ったこと、優しい明日なんて来ないと知ったこと、それでも生きていかなきゃいけないこと、全部ぎゅっとまとめて心にしまっておきます。炭酸の抜けたメロンソーダを捨てきれずに置いておくように、私の心の温度が下がっても日常を突き放せずにいます。
もし、心のままに毎日を破れたら。それが出来るほど若くもない私は、せいぜい過ぎていく日々を隣で眺めて、愁うくらいです。冬って本当に寒いですね、凍えるのは身体だけではないようです。
あの時凌いだ夜はどこに行きましたか、この先に辿り着ける場所はどこですか、私に振り返れば見える足場はありますか、もうとっくの昔に崩れてなくなりましたか、ああそうですか。
こうやって哀しむ時間だって、いつかは薄れて消えていく。月並みの日々しか送れない、今日だっていつかは忘れるの。