見出し画像

わたしたちがこだわる、「靴の製法」について(前編)。

今回は、弊社が、ずっと作り続けている「アルクラン」「ボブソン」の靴のこだわりについて、前編・後編の2回に分けてお話ししたいと思います。
まずは「靴の製法」の種類についてお話します。

まず、靴の製法というのは甲を覆う甲革(アッパー)と足裏を保護する底をつなげる底付け方法のことです。伝統的に縫い付けるという方法が用いられてきましたが、機械化が進み、また接着剤の進歩により、接着剤で貼りつける製法も多く採用されています。

「グッドイヤー・ウェルト製法」と「マッケイ製法」について

この他にも製法がありますが、縫い付ける製法としては、重厚感のある英国で主流となる「グッドイヤーウエルト製法」、エレガントなイタリアで主流となる柔らかな「マッケイ製法」とが代表的です。

グッドイヤー・ウェルト製法
ハンドソーン・ウェルテッドと呼ばれる手縫いの製法を元に、米国のチャールズ・グッドイヤー2世(ゴム底のバルカナイゼーションを発明したチャールズ・グッドイヤーの息子)がそれを機械化し1879年に特許を取得した方法。名称は発明者から。(Wikipediaより

Wikipedia「グッドイヤー・ウェルト製法」より

マッケイ製法
甲革とソールをマッケイミシンで直接縫い付ける。グッドイヤー・ウェルト製法に比べ構造が単純で、やわらかく仕上がる。また、グッドイヤー・ウェルト製法に対して軽量化が可能で、廉価化が可能である。主にビジネスシューズなどに用いられる。(Wikipediaより

Wikipedia「マッケイ製法」より

これは、余談ですが、もともと成牛を好む英国と子牛の肉を好むイタリアでは、その残った革の厚みに違いが出る、さらにスーツなどのファッションにも違いがみてとれ、その地域・気候・風土の違いが文化に大きく影響を及ぼしているのも面白い気づきです。
森林が多く、稲作文化の日本は、草鞋や下駄を履物にしたのもよくわかります。

「セメント製法」について

翻って、もう1つは貼り付ける製法、「セメント製法」は、大量生産が可能となり、コストダウンが図られ、軽くてデザイン性のある靴が作れるようになりました。底も合成底やゴム底、EVA底など多種類あり、軽い底を追求できますが、減りやすくもなります。また、接着剤で貼り合わせているため、その甲革の状態によっては、底の貼り替えができないことが多く、修理が不可能となります。

セメント製法
セメンテッド式やセメント式などとも呼ばれる。甲革とソールを縫い付けず、糊で接着する最新の製法。第2次大戦後に糊が改良され、非常に強力な接着力を実現することができた結果実用化された。ミシン工程が存在しないので、靴底から水分が浸入する可能性は無く、雨靴にも採用される。大量生産に最も適しており、紳士靴・婦人靴・ビジネスシューズ・スニーカーなど靴の種類を問わず、全ての靴の製法の中では最安価な製法である。また、最近ではソールに通気口を設けてさらに通気性を高めたものもある。(Wikipediaより

Wikipedia「セメント製法」より

わたしたちがこだわる「ダイレクトウレタン製法」

他にも製法いろいろありますが、ここで、私たちがこだわるのが「ダイレクトウレタン製法」です。「アルクラン」はもちろん、一部の「ボブソン」を除いて、この製法で作り続けています。
この「ダイレクトウレタン製法」は、一般的に「インジェクション製法」とも言われています。
私たちはドイツのデスマ社の機械で製造していて、「ダイレクトウレタン製法」、「DUSソール」として、企画販売しています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
「ダイレクトウレタン製法」の特徴、そして、わたしたちトーヨーシューズのこだわりについて、次回詳しくお話いたします。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?