健康寿命をのばしてイキイキ長生き!『転ばない足腰』
昔は電車で立っていても平気だったのに、今ではすぐに座りたいーー。だんだんと筋力が落ちてきた気がするーー。そんな風に感じることはありませんか?
人間は年をとるにつれてだんだんと筋力は落ちていくもの。しかし、同じ80歳でも元気に旅行に行く方と、足腰が弱ってめっきり外出をしない方がいるのも事実です。この違いこそが、健康寿命の違いです。
本書では、「転倒防止」をキーワードに、この健康寿命をのばして良く老いるための方法をご紹介します。
要介護は転倒からはじまる
2016年に厚生労働省が行った調査によると、要介護にいたるいちばんの原因は認知症と言われています。骨折や転倒は12%と、それらを軽視しても問題ないように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
「認知症」に該当するケースには、「転倒はしたけれど、幸いにも骨折はしなかった。でもまた転ぶのが怖くて、外に出るのがおっくうになり、認知症の症状が進んで要介護になってしまった」といったものも含まれているのです。
つまり、要介護の原因である「認知症」や「衰弱(フレイル)」の、さらに元をたどると、最初のきっかけに「転倒」が関係しているケースは非常に多いのです。「要介護は転倒からはじまる」 と言ってもけっして大げさではありません。
健康寿命のばし体操のご紹介
転倒を予防し、健康寿命をのばすために重要なのは、自分の身体の状態に合った、適切な運動をすることです。本書では、著者が独自に作成した、転倒診断フローチャートをご紹介しています。
このフローチャートの問いに答えていくと、転倒危険レベルを診断できます。診断結果は、転倒の危険性が高いものから順に、「レッドゾーン」「オレンジゾーン」「イエローゾーン」「グリーンゾーン」です。本書ではこの4つのカテゴリー別に、おすすめの体操を紹介しているので、自分や家族の転倒危険レベルに合った体操がすぐにわかります。
例えば、この体操は、3年以内に転倒する確率が18.7%と少し危険な「イエローゾーン」の方にオススメの「足踏みデュアルタスクトレーニング」です。
問題を決めて椅子に座り、足踏みしながら答えを思いついた順に声に出します。脳の体操にもなるこちらの運動。ぜひ試してみてください。
本書では、このような体操を21種類紹介しています。カテゴリーを参考にしていただくのはもちろんですが、ご自身が気になったものから気軽にチャレンジしていただくことをおすすめします。
100歳になっても自分の足で行きたいところへ行くために
本書でご紹介する体操は、「続けること」がなにより重要です。そのために、どうすれば運動を継続していけるのか、そのための工夫も丁寧に紹介しています。
また、健康寿命をのばす方法のうち、「食事」と「習慣(環境づくり)」についてもご紹介しています。
みなさんも1日でも長く生き生きと過ごすことができるよう、転ばない足腰を手に入れてみませんか?