4月までに彼氏ができなかったらジムに通おう⑤
【episode4】お酒が飲めない男
スーパータイプの男性に会った。
タイプというか、シンプルイケメン。
国山ハセン系。
NTT本社で働くいわゆるデキる男。
やり手なのに、謙虚。
完璧さを鼻にかけることなく、気さくな口ぶり。
こんないい人が、なんで彼女いないの?
というのが、最初の印象だった。
話し方も、話すことも好印象すぎる。
逆に、うそみたいにも思えた。
「お母さんとよくランチするんだよね」
「生活水準あげたくないんだよね〜」
「毎日日記を書いて、その日のネガティブな感情はその日のうちに解消させるようにしてる」
私と、価値観が近くて、考え方にとても共感ができた。
好きです。
初めてのご飯で、すぐに思った。
この人だったら、好きになれる。
というか、もうほぼ、好きだった。
彼は、お酒が飲めない。
お酒は嫌いじゃないけど、すぐに酔っ払ってしまう私にとって、お酒はあってもなくても良い存在だったので、そこの感覚もいいと思った。
またごはん行こうと約束をして、LINEの交換。
その日から、1日5ラリーほどのメッセージのやり取りが始まった。
ちょうどいい。
好きです。
2週間後、2回目のごはん。
お寿司を食べて、その後カフェに行った。
うんうん、いい流れ。
この人と付き合えたらいいなあ、素直に思えていた。
同時に、嫌われたくない、という想いも出ていた。
ふと、一生懸命しゃべっている自分に気づいた。
彼はいつも真剣に話を聞いてくれるし、笑いを交えた話もしてくれているのに。
なんだろう、この、息苦しさ。
なんか、
逃げ場がない。
待って。
その時気づいた。
彼の欠点、見つけてしまった。
完璧すぎるところ、だ。
一言一句、丁寧に聞いてくれる彼の視線に、なぜか、首を絞められる気持ちになっていた。
一緒にお酒飲んで、
ボーッとする時間があって、
相手の言葉を聞き逃す瞬間があったりして、
ちょっと〜聞いてるの〜?って笑い合ったりして、
それでもなんか波長があうなあって感覚がたしかにあって、
お互いほろ酔いで、駅に向かうまでの道でちょっと手を繋いだりして。
その、お互いに生まれる隙のようなものが恋愛感情を高めるのではないか、と思った。
ずーっと正しくて、
全部の言葉を受け取られすぎると、
ちゃんとしなきゃ
間違っちゃだめだ
と窮屈な気持ちになるのだと知った。
もしかしたら、
少し欠けているところがないと、愛せないのかもしれない。
少し足りていないところを、愛嬌と呼ぶのだな、きっと。
相手の欠点、というか、へえ〜こういうところあるんだ〜っていう見る人によってはもしかしたらネガティブなポイントを知って、気持ちが冷めるのではなく、
彼のそんな部分を知って、もっと愛おしくなることを、歳を重ねた私は知っている。(逆に何かの拍子に一気に冷めて、今まで許せていたところが急に受け入れられなくなる感じも経験してるけど(笑))
だって、
私が完璧ではないから。
許して、許されて。
少し欠けてるくらいが、ちょうどいい。
まずは、完璧じゃない自分を愛でるところから始めたい。
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